自らの土俵で戦った青山学院大の強さ 箱根経験者の村澤と矢野が往路を解説

スポーツナビ

矢野圭吾(日本体育大OB)

青山学院大の強さとして、各選手の安定感を挙げた矢野。ポイントは1区だったと語る 【スポーツナビ】

「1区の重要性を再確認した」

 青山学院大が自分たちの土俵でレースを進めて、1人1人がブレーキになることなく、安定した走りを見せた結果が往路優勝につながったと思います。今日は風が追い風だったこともあり、前から風を受けないというのと、気温が少し高めだったということで、いつも以上に選手たちが汗をかいていたように見受けられました。暑さや風の影響かは分からないですけど、東洋大の服部弾馬選手なんかは持っている力どおりの走りではなかった印象です。

 勝負を分けるポイントになったのは1区だと個人的には思っています。青山学院大は、1区で久保田選手がしっかりとレースの流れを引き寄せたことで、すべてがうまく回りました。逆に駒澤大や東海大なんかもそうでしたが、1区で流れに乗れないと他の区間が良くても結局は遅れを取ってしまう(駒澤大は3位、東海大は8位)。1区の重要性を再確認しました。村澤先輩が2区を走っていたとき(第86回大会〜第88回大会)なんかは、先頭から最後までそんなに差がつかなかったと思うんですけど、今日はレース展開が速かった。2区の選手も先頭から差が大きかったので、追い切れなかったし、青山学院大がうまいレース展開をしていたので、追う方もうまく追いきれなかったように思います。

 復路に向けては、何かアクシデントがない限りは青山学院大が優勢だと思います。とはいえ東洋大や駒澤大など4位くらいまでのチームにとっては、まだ何があるか分からない。2位、3位あたりのチームが前を脅かせていければ面白くなるし、青山学院大の往路と同じようにミスなくやれば、まだ可能性はあると思うので、そこを視野に入れて頑張ってほしいなと思っています。

 シード権争いに関しては1分くらいの間に5校いるので、ここも1人の失敗でがらっと変わりそうです。失敗なく走ることで、今が13位のチームでも7位や8位にいけると思うので、そこまでいけるようにどこのチームも走ってほしいなと思います。どのチームがシード権を取るんだというハラハラした展開が面白いと思うので、固まってくれたらいいですね。

 母校の日体大については監督も代わりましたし、チーム状況が分からないので、何とも言えないです。ただ、上り(5区)で順位変動がある中、13位に入ったことは明日につながると思うので、本当に1人1人が今持っている力を発揮してくれれば、シード権を取れる順位までいけるかなと思いますし、あきらめないでやってもらいたいですね。

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