高給でモテる?ボートレーサーという職業 若手女子選手にその内情を聞いてみた

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ボートレーサーは結婚相手に最適

現在B2級の米井選手、昨年の獲得賞金は400万円を超えるが、ボートレーサーの中では「全然稼いでいない方」だという 【写真提供:一般財団法人 日本モーターボート競走会】

 競技そのものへの魅力もある一方、やはりプロだけにお金の話も付き物。というわけで、ごく紳士的に収入のことも聞いてみた。ボートレーサーは上からA1、A2、B1、B2の4クラスに分かれており、A1クラスで平均年収約3300万円! 最低ランクのB2でも平均約500万円だという。ちなみに、トップレーサーになると2億円超えもあるんだとか。

 ちなみに、富樫選手の昨年の獲得賞金は約578万円、米井選手は約423万円だ。両選手が言うように、同じボートレーサーを基準にすれば「稼いでいない」方である。しかし、これが一般社会人3年目の20代女子と比べればどうか?

「確かに、私の友だちはみんな一般職で、手取りが少なくて大変という話をよく聞いています」(富樫選手)

 ここでようやく冒頭の「ボートレーサーは結婚相手に最適」という話に戻るが、この高収入という面も、ボートレーサー人気を後押ししている。お給料が良くて、スリムでカッコよくて、全国各地のレース場で走っているから家にあまりいない、さらに他のプロスポーツと違って、平均引退年齢は51歳と現役時代がずば抜けて長い――うん、やっぱりボートレーサーは今後、プロ野球選手やサッカー選手、同じ公営なら競馬の騎手と並ぶくらい『結婚したい職業』の人気常連になるかもしれないですね。

 余談だが、元SDN48のメンバーでフリーアナウンサーの近藤さや香さんと結婚した馬場剛選手は、富樫選手・米井選手と同期だという。そして、さらに余談なのだが、男子選手がそんなにモテるんだったら、同じように女子選手もモテるのでは?

「それが全然……。出会いもないですし、私もそうなんですが女子レーサーって気が強いですからね(笑)」(富樫選手)だそうだ。2人ともキレイでカワイイのにもったいない。

ボート・ミーツ・俺

二人とも夢は大みそか女子の祭典「クイーンズクライマックス」出場、そして賞金女王だ 【写真提供:一般財団法人 日本モーターボート競走会】

 と、野暮な質問はこの辺で締めるとして、最後に、改めてボートレーサーという職業の魅力、そして今後の目標を聞いてみた。

「今はまだなかなか勝てなくてすごく悔しいんですが、勝ったときの達成感とかやりがいは、絶対に他の仕事では味わえなかったと思います。ボートレーサーになって本当に良かった。今、私はB1級なので、早くA級に上がって、年末のクイーンズカップに出たいです。それと、実は自分の中で人生設計がちゃんとあるんです。と言っても秘密なんですが(笑)、女子の最年長選手は56歳ということなので、私もそれくらいまで現役を続けたいですね」(富樫選手)

「ボートレースは難しい職業だと思いますし、私もまだなかなか結果が出せていません。でも、たまに先頭を走るとすごくうれしい。ボートレース以外ではこんなにうれしいことは経験できないと思っています。私はまだB2級なので、まずはB1に上がることが目標です。そして、私もいずれは大みそかのクイーンズクライマックスに出られるような選手になりたいです。現役生活ですか? 私は48歳までやりたいと思ってます(笑)」(米井選手)

『ボート・ミーツ・ガール』をきっかけにした今回のインタビュー。選手自身にボートレーサーという職業について語ってもらったわけだが、個人についてもっと掘り下げれば、きっと小説以上の面白いドラマが過去から未来へと広がっているのだろう。そう思うと、ボートレーサーにより一層の興味と親近感が沸いてきた。久しぶりにボートレース場に足を運んでみようかなぁと思ってしまうあたり、『ボート・ミーツ・俺』である。

(取材・文:森永淳洋/スポーツナビ)

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