4年前と現在のバルサはどちらが上か? クラブW杯で楽しむ“異文化の衝突”
4年前、バルサ戦で足跡を残せなかったネイマール
4年前のクラブW杯決勝。ネイマール(中央)はほとんどボールを持たせてもらえなかった 【写真:Maurizio Borsari/アフロ】
試合は4−0でバルセロナが圧勝。ネイマールは、この試合に足跡を残すことができなかった。バルセロナにボールを支配され、奪ったとしても、アッという間に囲まれ、刈り取られる。そして、再びバルセロナがボールをキープする。この繰り返し。永遠のハメ技だ。ボールを持てば違いを見せるネイマールだが、ボールを持たせてもらえない。
当時の指揮官ペップ・グアルディオラが作り上げた、プレッシング&ポゼッションサッカーは、あまりにも衝撃的に、サントスをたたきのめした。この時代のバルセロナが1つのパターンとして採用した、純正FWを用いず、リオネル・メッシやダビド・ビジャ、アレクシス・サンチェスらもMFのように扱う、攻守完全支配のシステムは、「3−7−0」と称され、世界の注目を浴びた。
あれから4年――。今度はネイマールが、バルセロナの一員としてクラブW杯にやって来る。ブラジルのローカルスターが、グローバルスターに成長し、特にここ2カ月の間は、負傷で離脱中のエース・メッシの不在を忘れてしまうほどのスーパープレーを連発。紛れもなく、バルセロナをけん引する存在になった。その事実に、4年という月日の早さを実感する。
月日が流れても変わらない“基本スタイル”
この4年でネイマール、スアレス(9)らが加わり、メンバーは様変わりした 【写真:ロイター/アフロ】
一方、その枝葉は、季節により異なる装いを見せる。4年前のグアルディオラのチームと、現在のルイス・エンリケのチームを比較すると、同じ幹から伸びた枝葉の部分に、いくつかの違いが見られる。
ひとつは、メンバーの変化だ。スタイルの象徴であるシャビ・エルナンデスが、カタールのアル・サッドへ移籍し、クラブを去った。キャプテンは、シャビからアンドレス・イニエスタへ移行。シャビと入れ替わるように、今季は下部組織出身のセルジ・ロベルトの成長が著しく、ここにバルセロナの系譜を感じさせる。
前線ではネイマール、ルイス・スアレスがチームに加わり、メッシとともに「MSN」と呼ばれる3トップを形成。誰もルイス・エンリケのチームを「3−7−0」「4−6−0」などとは形容しない。システムは、ベーシックな4−3−3だ。
それに関連し、チームの守備のやり方も変わった。グアルディオラの頃は、相手チームがボールを持つことを許さなかった。常にボールにプレッシャーをかけ、後方はそれに続いて前進する。敵陣でスペースをコンパクトに圧縮し、高火力なスプリントの連打で、相手に息継ぎもさせず、ボールを奪い返す。かなり負担のかかる守備だが、ひとたびボールを奪って回し始めれば、ポゼッションしながら休憩することもできる。このような攻守完全支配の仕組みを可能にしたのも、ポリバレントなMFを多数起用した「3−7−0」のメンバーだった。