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「7回の無得点で韓国に流れが行った」
ロッテ・井口が日本の逆転負けを分析
9回に逆転タイムリーを放ったイ・デホ。積極的なスイングが勝ちにつながった
9回に逆転タイムリーを放ったイ・デホ。積極的なスイングが勝ちにつながった【写真は共同】

 初開催となる「世界野球プレミア12」で世界一を狙う野球日本代表「侍ジャパン」が19日、東京ドームで行われた準決勝・韓国戦に3対4と逆転負けを喫した。


 試合は日本が4回に1死一、三塁とチャンスを作ると平田良介のタイムリー、坂本勇人の犠牲フライなどで3点を先制。先発の大谷翔平は7回1死まで無安打、結局7回を投げて被安打1、奪三振11と好投を見せた。しかし9回、前の回から登板した2番手・則本昂大がつかまり、1点を失うと、無死満塁から登板した松井裕樹が押し出し四球、増井浩俊がイ・デホに2点タイムリー二塁打を浴びて逆転を許し、そのままゲームセットを迎えた。


 日本の逆転負けはどこに要因があったのか!? 開幕の韓国戦に続き、千葉ロッテ・井口資仁にこの一戦を解説してもらった。

「大谷君の交代が韓国を楽にさせた」

――日本にとってまさかの展開になりました。


 大谷君があれだけ良かっただけに……。ただ、7回の攻撃で点が取れるところで取れなかったというので、流れが韓国に行っている感がありましたね。無死一、二塁から4番、5番、6番が抑えられましたから。


――序盤の流れは良かったです。


 いい形で打線はつながって先制点が取れました。イ・デウンは中継ぎだとすごく良いのですが、先発するとどうしても崩れるイニングがあるんですよね。最初は良かったですけど、もともと球数も多くてなかなか6回、7回まで投げられるピッチャーではないので、どこかで崩せるのでは、と思っていました。


 ただ、もっと前半から足を使えれば良かったと思います。走塁は日本の持ち味でもあるし、走れる選手もいるので、接戦が多い国際大会では打って点を取るのは難しいですし、後半みたいに足を使えればもっと楽だったのかなとは思います。


――7回1安打無失点だった先発の大谷投手の出来については?


 今日は途中からスライダーが本当に良かったです。韓国の頭の中には真っすぐとフォークのイメージがあったと思うんですけど、スライダーには全然合ってなかったですもんね。初戦はフォークが良かったですけど、今日は抜けるか、引っ掛けるかでフォークがダメでしたけど、ほかの球種で三振取れるのがすごいところですよね。


 あとは僕の中では大谷君はもうちょっと行けたとは思いました。どのみち21日の決勝戦は投げられないわけですから、もう1イニング引っ張っても良かったかなと思いましたが…。7回まで85球しか投げていなくて、まだボールに威力がありましたからね。


――その大谷投手が変わって韓国の気持ちは大分楽になったのでは?


 それは絶対楽だと思います。“大谷”という名前だけで嫌がっている感じがありましたし。試合終盤の7回でも160キロ近い球速が出るわけですからね。それはやっぱり嫌だと思います。シーズン中でもそうですが、8回以降もいいピッチャーは出てきますけど、交代してくれたら大谷君以上のピッチャーはいないわけです。韓国も大谷君が交代して、気持ち的には「何とか行けるかもしれない」と楽になったと思います。7回のピンチも抑えて、大谷君も交代して、それが9回に一気につながったんでしょうね。

「韓国打線は積極的にどんどん振ってきた」

――日本にとって9回の継投も難しかったです。


 則本君も良かっただけに、もう1イニング行ったんじゃないですかね。ことしの則本君はシーズン中は真っすぐは全然走っていませんでした。今回は後ろで投げて155キロ出てましたから、これだけ出るんだなって思いましたね。今シーズンは1年間投げようと思ってチェンジアップとかを覚えて、ストレートはあまり良くなかったですからね。


 継投に関しては結果論になっちゃいますけどね…。シーズンでは抑えを出して負けたらしょうがないと納得できる部分はありますけど、負けたら終わりの短期決戦はそうはいきません。なので、短期決戦だとどうしても調子のいいピッチャーを使おうとするので、シーズンみたいにパターンに当てはめないことが多いです。実際、則本君も良かったですからね。


――9回には韓国の意地も感じられました。


 やっぱり日韓でやると何か起こるなっていうのはありますね。逆にそういうのも選手たちは感づいたのか、何か9回のピッチャーはストライクが入らなかったですからね。それに加えて、韓国打線は本当に積極的で、どんどん振ってきました。だから大谷君の球数が少なかったというのもあると思います。


 リリーフ陣にもどんどん振っていきましたもんね。リリーフした則本君や増井君も真っすぐで押してくるピッチャーですけど、やっぱり気持ちで負けないようにどんどん振ってきました。それが最後につながりました。とはああいう場面(日本が1点リードの9回無死満塁)のイ・デホは本当に嫌ですね。増井君とも普段から対戦しているピッチャーですからね。気持ちは楽だったとは思います。


 秋山(翔吾)君が9回にファインプレーでフライを取ったときには逆転できる雰囲気はあったんですけどね…やっぱり国際大会は難しいですね。それも短期決戦ですからね。ただ、3位決定戦も日本でやりますので、絶対勝ってもらわないといけないです。あと1試合、頑張ってほしいですね。

井口資仁/Iguchi Tadahito

【写真は共同】

1974年12月4日生まれ。東京都出身。178センチ91キロ。右投げ右打ち。国学院久我山高→青山学院大→福岡ダイエー→ホワイトソックス→フィリーズ→パドレス→フィリーズ→千葉ロッテ〜


国学院久我山高2年夏に甲子園出場。青山学院大では東都リーグ記録となる24本塁打を放ち、大学4年時はアトランタ五輪・野球日本代表に選出され、銀メダル獲得に貢献した。1996年、福岡ダイエー(現・ソフトバンク)に逆指名で入団すると、2001、03年には盗塁王を獲得。05年からホワイトソックスに移籍すると、「2番・セカンド」に定着し、移籍1年目からワールドシリーズ制覇を経験。09年から日本球界に復帰し、千葉ロッテでプレー。13年には史上5人目となる日米通算2000本安打を達成した。

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