二つの順位表から読み解くJ1終盤戦 熱を増すチャンピオンシップ出場権争い
今季ならではの好カードが実現
チャンピオンシップ出場に向け負けられないG大阪。ナビスコ杯決勝での惨敗からどの程度持ち直せているかがポイントとなる 【写真:アフロスポーツ】
一方、G大阪のすぐ下に位置するFC東京は次節に柏レイソル、最終節(22日)にサガン鳥栖と対戦する流れ。一戦必勝の哲学を強烈に打ち出してきたイタリア人のマッシモ・フィッカデンティ監督にとって、まさに腕の見せどころといったところだろう。続く横浜FMはほとんどチャンスがないだけに、逆にプレッシャーにはならずにチャレンジャーのマインドで臨めるはず。まずは連勝して吉報を待つのみといった状況だ。次節はセカンドステージ優勝を狙う鹿島が相手となり、年間3位からのチャンピオンシップを狙うチームとセカンドステージ優勝を狙うチームが激突するという今季のレギュレーションならではのカードとなっている。
最大の肝はチャンピオンシップの盛り上がり
今季、満を持して2ステージ+チャンピオンシップ制を導入したJリーグ。チャンピオンシップの盛り上がりこそが最大のポイントだ 【写真:伊藤真吾/アフロスポーツ】
もっとも、地上波のテレビ放送等を通じてJリーグの露出を増やすことを大きな目標として導入されたシステムだけに、制度の成否を占う最大ポイントは「チャンピオンシップが盛り上がるかどうか」にこそある。四半世紀近い歴史を刻んだJリーグは、日常からリーグを楽しむディープなファンを着実に増やした一方で、「お茶の間の娯楽」としての地位を喪失してしまった。
この10年で日本の社会における「お茶の間の娯楽」という発想自体が希薄化したのも確かなのだが、依然としてエンターテインメント産業の大きな軸がテレビの中にあることもまた厳然たる事実。このチャンピオンシップがそうした勝負の土俵に上がったとき、どの程度の数字を残せるのかどうか。それはJリーグのポテンシャルを占うものになるのと同時に、その未来をも大きく左右することになりそうだ。