“日本代表”として剣士を演じた伊原剛志 紀里谷和明監督の『ラスト・ナイツ』

しべ超二

演じる時も日本を背負う意識で

『ラスト・ナイツ』より 【(C)2015 Luka Productions】

 本作のアクション監督は伊原も「大好きな映画」と語る韓国の『オールド・ボーイ』や、『ブラザーフッド』といった作品で知られるチョン・ドゥホンが担当。「トレーニングをして備えて、チェコでもジムに通っていましたけど、やっぱり年をとるとキツいですね(苦笑)」とこぼしたが、身体能力と立ち回りを見込まれ、アクションシーンのほぼすべてを自らの手で演じている。さらにクライヴ・オーウェンから剣さばき、立ち方や映り方についてアドバイスを求められることもあったという。

海外で仕事をする時は、日本を背負う気持ちで仕事をしているという伊原 【中原義史】

「海外で仕事をする時は、結局僕を通して“日本人の役者ってこういう感じなんだ”って思われるから、絶対変に思われたくないし、『日本人の役者って素晴らしいよね』って、言われたいと思っています。だからある意味、日本を背負ってというか、そういう意識で仕事をしています」

 記憶に新しいラグビーワールドカップ。自身も中学時代にラグビーを経験し、「ストリートラグビー」初代アンバサダーでもある伊原は、17カ国のクルーが参加した本作の撮影にそんな気持ちで臨んでいたと語る。そして、自身と本作をラグビー日本代表へ重ねるように次のようにいう。

「日本人がぶつかって世界のデカいやつを飛ばしたり、負けないっていうのはやっぱりスゴいと思います。だからこの映画も、日本の役者がここに入ってもやれる、日本の監督が“世界”に挑んでやっている――そんなふうに観てほしいです」

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【(C)2015 Luka Productions】

ある封建的な帝国。権力にとりつかれた非道な大臣が要求する賄賂を堂々と断り、刀を向けたバルトーク卿(モーガン・フリーマン)は、残忍な処刑による死罪を勧告される。それは、愛弟子であり、自身の後継者として信頼するライデン(クライヴ・オーウェン)による斬首。絶対にできないと断るライデンに対し、バルトーク卿は武士の掟を全うし、自身亡き後の一族を守れと諭す。ライデンは震える手で主君の首を落とした。1年後、刀を捨て身分を隠していた気高い騎士たちは、忠誠を誓った主君の仇を討つため立ち上がった――。11月14日(土)より全国ロードショー。
作品写真:(C)2015 Luka Productions

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著者プロフィール

映画ライター。ペンネームは『シベリア超特急2』に由来し、生前マイク水野監督に「どんどんやってください」と認可されたため一応公認。日本のキング・オブ・カルト、石井輝男監督にも少しだけ師事。プロフィール画は芸人ネゴシックスの手によるもの。

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