車いすバスケ男子日本の成長と課題 リオ行き決定は新たなリスタート
成長著しい“逸材”16歳の鳥海
チーム最年少・16歳の鳥海。成長著しい逸材の成長がリオに向けて明るい材料だ 【写真:伊藤真吾/アフロスポーツ】
成長期の今、仲間に会うたび身長が伸びていることを驚かれるのだそう。身長が伸びれば、プレーの幅も広がる。鳥海自身は「自分はアグレッシブなプレーヤーなので積極的なバスケをみてもらいたい」と力強く語り、自信をのぞかせる。
世界水準に向けて必要なさらなる強化
オーストラリアは昨年の世界選手権覇者(日本は9位)。パラリンピックでは北京大会で金メダル、ロンドン大会で銀メダルを獲得しており、高い経験値に基づく世界レベルのバスケをあらためて見せつけられた格好だ。藤本は表情を引き締め、敗戦から得た課題の修正を誓う。
「パラリンピックで戦う相手はこうした強豪ばかり。このままではリオでも強い当たりや速いスピードのなかで自分たちの精彩を欠いてしまう。リオ出場を決めたことはうれしいが、(オーストラリアに)負けた事実をちゃんと受け止めてこの1年を過ごしたい」
今、日本代表は年に2回程度の海外遠征をこなし、海外チームと対戦して強化を図っている。一方、世界王者のオーストラリアは4年間で300国際試合を組むプランを立てているという。今大会も、来年9月開幕のパラリンピックを想定し、ブラジルに遠征して“リハーサル”をしてから千葉に入った。もちろん、国によって競技環境に差はあるが、及川HCは「世界一になるには、常に世界レベルのトレーニングと戦略の中にいないといけないことが今大会でよく分かった。われわれももっと経験を積んでいきたい」と、リオに向け大いに刺激を受けたようだ。
リオでは日本のバスケが世界に通用することを証明するつもりだ。及川ジャパンは決意を新たに、リスタートを切る。