目指すのが恥ずかしかったプロバスケ選手 有望大学プレーヤーたちの本音
大学生が憧れるプロとは
岡本は「プロ選手はいっぱいいるんですけれど、範囲が広過ぎる」とコメント 【スポーツナビ】
加藤 ちょうど僕たちの代から新リーグになりますが、今の時点では今まで通りのチーム状況という認識です。施設やお金の面で、チーム間で差があまりないリーグにしてほしいです。
原 僕はチーム次第だと思います。NBLも経営などがうまくいかなかったところもあったし、bjリーグでも秋田(ノーザンハピネッツ)などはちゃんとチーム作りをしている。統合して1部2部3部で分かれることで、どの球団がちゃんとした経営をしているところなのかが分かるようになるのかなと思います。
あと、これまではオールジャパンで学生がプロに勝ったりもしていましたが、プロが学生に負けるというのは本当はあってはいけないことだと思います。勝った方もすごいですけれど、プロの意地というか、プロなのに学生に負けるなんて……。
統合したら、1部にはそういうチームはないと思う。プロはやっぱり学生から見て「すげー!」っていうものであってほしいです。その試合は見ましたが、勝った学生チームが特段調子がいいというふうには見えなかったのに勝った。勢いで学生が勝つのなら分かるんですけれど。圧倒的なプロの力を見せてくれるチームが出てくることは新リーグに期待したいことです。
――プロとしての線引きが今までは曖昧だったということでしょうか?
岡本 周りにプロ選手はいっぱいいるんですけれど、範囲が広過ぎて。「俺プロだぜ」という人たちを倒したいというモチベーションはありますね。実際サムシティでやった最初の相手がプロ選抜だったんです。でも僕たち大学生選抜が勝ちました。
――プロになる方法はさまざまですが、野球ならドラフトという分かりやすい仕組みがありますね。
岡本 NBAを見ていても評価のされ方が一発で分かるので。ドラフト1位とか。そういうのは面白いですよね。でもNBAみたいにチームが多いわけではないからそんなに多くは選手が入らないので、それは難しいのかなというのはあります。
原 自分の時はドラフト制度ではない方がいいなと思います。やっぱりそんなに行きたくないチームに呼ばれたらな、と思います。野球とかでも断ったりするじゃないですか。でもドラフトは、はたから見たら面白そうですね。
プロを目指すべき環境へ
「大学のチーム内でプロを目指す後輩が増えてほしい」と話す加藤 【スポーツナビ】
加藤 思います。大学のチーム内でそういう人が増えるとチーム内のレベルも高くなるし。
岡本 プロになるのを恥ずかしがっている奴も多いんですよ。何そんな熱くなってるんだ、って。
加藤 今後、僕らがプロになれたとしたら、後輩たちと一緒に練習したいです。今まで一緒に練習していた人がプロになって、活躍を後輩たちに見せることで、「俺もプロに行きたい」と思ってもらえたらうれしいです。
岡本 もし自分がプロになって活躍すれば、楽しそうな生活を送っていると思う。そんな姿を見た後輩たちが、「自分もバスケを通じて充実した生活をおくれればいいな」と思ってくれれば。後輩たちが目指せる存在になりたいです。
――今まではプロが憧れではなかったということ?
原 憧れの人は多いんですけれど、範囲が少し広過ぎる気がします。
――今後プロになった時、どのようなプレーを見せていきたいですか?
岡本 自分は身長が小さい方(170センチ)なので、それでもこれだけできるんだぞっていうことを見せたい。あとは、やっぱり自分が楽しんでプレーをしていればお客さんにも楽しんで見てもらえると思うので。その上でチームを勝たせられるような選手になりたいなと思っています。
原 自分は観客に魅せるプレーができないので、試合に出てシュートを打ったら全部決めるという強い気持ちでやりたい。あとは自分が得意とする泥臭いプレーで頑張っていきたいです。
加藤 プロとしてのプライドをしっかり持って、見に来ている人たちを満足させられるようなプレーヤーになっていきたいと思います。
(取材・構成:安藤岳/スポーツナビ)
岡本飛竜
【写真提供:拓殖大学】
加藤寿一
【写真提供:法政大学】
原修太
【写真提供:原修太】