V2逃した錦織、勝負を分けた1ゲーム
全米の雪辱戦で攻め切れず
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第1セットはあっさり奪ったが……

連覇を狙った錦織だったが、ペールにフルセットの末敗れ、準決勝敗退となった
連覇を狙った錦織だったが、ペールにフルセットの末敗れ、準決勝敗退となった【写真:伊藤真吾/アフロスポーツ】

 10日に行われた楽天ジャパンオープン男子シングルス準決勝、第2シードで昨年覇者の錦織圭(日清食品)が、ブノワ・ペール(フランス)に6−1、4−6、2−6で逆転負けし、2年連続3度目の優勝を逃す結果となった。決勝はペールと、第1シードのスタン・ワウリンカ(スイス)の対戦で、ともにこの大会での初優勝を目指す。


 この日は風もなく絶好のコンディション。錦織は立ち上がりから集中力を高めて、素晴らしいショットでウイナーを奪った。ペールは今年の全米オープン1回戦で敗れた相手で、マッチポイントを2本握りながら逆転負けしたのは記憶に新しい。とはいえ、それ以前に2勝した実績もあるだけに、錦織には自信もあっただろう。相手の強烈なサーブとツアー屈指のバックハンドに挑むように、リターンから攻め、執拗(しつよう)にバックハンドのクロスを打ち合った。第2ゲーム、バックのリターンエースをきっかけにサービスブレーク。このセットのファーストサーブの確率は71%で、エース3本とリズムに乗って6−1、わずか20分で先手を奪った。


 しかし、ペールはそこで冷静さを失わず、立て直してきた。今季ツアー初優勝も果たし、全米オープンでグランドスラム初のベスト16に勝ち進んだ自信だろう。できるだけラリー戦を避けたいという作戦に立ち返り、第2セットは強烈なサーブでスタート。錦織も集中力を高めて応戦したが、重ね重ね悔やまれるのがゲームカウント3−3で迎えた第7ゲームだ。ペールのダブルフォルトをきっかけに攻め込み、7度のデュースで5本のブレークポイントを握ったが、押し切れなかった。


「あのゲームではリターンミスもあり、攻め切れなかったのが痛いですね。あそこで1本取れていれば、第2セットも簡単に終わったと思いますが……」


 攻め切れなかったとも言えるが、ペールのレベルも上がっていた。この第7ゲーム、2人の頭には全米オープンで2本のマッチポイントをかわし、かわされた記憶がよみがえったに違いない。そこからギアを上げたペールに対し、錦織も左右にショットを散らし、機を見ては絶妙のドロップショットで揺さぶった。


 ただ、ペールには時速211キロに達する破壊的なサーブがある。第1セットはゼロだったエースが、第2セットは4本。相手の上昇のリズムを何とかかわそうとした錦織だが、第10ゲーム、15−40からの2本のセットポイントをかわすのが精いっぱい。3度目のデュースでバックハンドのダウンザラインをたたきつけられ、追いつかれた。

気持ちの差が出た最終セット

 ペールはここまで3試合、すべてフルセットの勝ち上がりだった。錦織はその上り調子の出鼻をくじき切れず、逆にペールは苦境を乗り切って自信をよみがえらせ、ファイナルセットにその気持ちの差が出た。第2ゲームを先にブレークされた錦織は第7ゲーム、0−40からブレークポイントまで追いすがった。スタンドの期待は高まったが、そこまで。最後は強烈なサーブで逃げ切られた。

全米オープンに続き錦織に連勝したペール(右)。最後は気持ちの差がプレーに表れた
全米オープンに続き錦織に連勝したペール(右)。最後は気持ちの差がプレーに表れた【写真:ロイター/アフロ】

 ペールは錦織と同じ1989年生まれで、この世代は選手層が薄いと言われてきた。しかし、ここにきて、88年生まれのマリン・チリッチ(クロアチア)、ロベルト・バウティスタ・アグト(スペイン)らもジワジワと上がってきた。


 錦織はこの後、上海、バーゼル、パリと転戦し8強によるツアーファイナルへと向かっていくが、トップ選手に疲れが色濃くなるシーズン終盤、手ぐすね引いて待つ伏兵がごろごろしている。安心はできない。


(文:武田薫)


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