ガスケらが初戦敗退、波乱続きの楽天OP 厳しいツアー終盤戦、勝負の鍵はメンタル

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シード選手が相次いで敗退

第4シードのリシャール・ガスケ(写真)らシード選手が1回戦で相次いで敗戦 【写真:ロイター/アフロ】

 楽天ジャパンオープン(東京・有明テニスの森公園)第2日となる6日、第1シードのスタン・ワウリンカ(スイス)が危なげなくストレート勝ちしたものの、第4シードのリシャール・ガスケ(フランス)、第5シードのケビン・アンダーソン(南アフリカ)、第8シードのグリゴール・ディミトロフ(ブルガリア)が敗れるなど波乱が続いた。

 全米オープン後のATPツアーは、「アジア・スウィング」と銘打ってアジア各国を転戦してツアーファイナルへ向かっていく。最後のグランドスラムである全米オープンという大きな山を越えた終盤戦、上位選手には体力の消耗、メンタル面での立て直しなど難しい条件があり、逆に下位選手はそこを狙ってくる。そうした構造が大会序盤での番狂わせに結びつく。

好調・ペールを支えた自信

 この日の注目はディミトロフだ。身長191センチ、体重80キロ、理想的な体格の24歳はジュニア時代から注目され、「ベビー・フェデラー」の異名まで頂戴した。年上のマリア・シャラポワ(ロシア)との理想の恋人関係は解消されたが、錦織とともに、ツアーのこれからの担い手でもある。

 ただ、初戦の相手ブノワ・ペール(フランス)は上り調子だ。3年ほど前、フランスのスポーツ専門誌が将来のトッププレーヤー番付をつくったことがある。1位がディミトロフで錦織もノミネートされ、地元ということもあっただろうが、ペールは4位に格付けされていた。パワーだけでなく、スピンサーブを巧みに打ち分けて攻撃のきっかけをつくる。今年の全米オープン1回戦で錦織と対戦した時も、2本のマッチポイントをしのいで逆転勝ちし、初めてベスト16まで勝ち進んだ。

全米オープン1回戦で錦織を下したペールは、上り調子で今大会を迎えた 【Getty Images】

 この日も明暗を分けたのはサーブだった。第1セットの第1ゲーム、ディミトロフは2本のダブルフォルトでいきなりサービスブレークを許すと、そのままリードをされ、先手を奪われた。

 これまでのペールの弱点は不安定なメンタリティーで、すぐ腹を立てては集中力を切らしてきた。第2セット終盤に腹を立てて、ラケットで何度もネットをたたきつける危ないシーンがあったが、その窮地をどうにか持ちこたえ、13本のブレークポイントのうち12本をしのいで、ペールが勝利。フルセット勝負に持ち込まれはしたが、7月のツアー初優勝、9月の全米ベスト16という自信が支えたのだろう。テニスはつくづくメンタリティーの勝負である。

 そのほかでは、バーナード・トミッチ、サミュエル・グロースのオーストラリア勢2人が途中棄権で敗退したものの、同胞のニック・キリオスが逆転で勝ち上がった。

(文:武田薫)

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