ストレイト&ウリウリで厩舎親子丼決着? スプリンターズSを現場のプロが激論

競馬専門紙「優馬」

サマー王者に人気急落の馬も上位を窺う

角田師が自信を持って送り出すベルカント(撮影:日刊ゲンダイ) 【(C)競馬専門紙「優馬」】

デスク「前哨戦がサマースプリントシリーズの構成レースで、いわばサマーシリーズの総決算と見ていいわけだが、そのチャンピオンであるベルカントに意外と◎が少ないのは、やっぱり“サマー王者は勝てない”というジンクスのせいなんだろうか」

佐藤直「本来のスプリント路線は4歳世代が一番強いはずなんだ。父のサクラバクシンオーもそうだったように、4歳になって本格化を迎えたベルカントに、そんなジンクスなんてクソ喰らえだよ」

久光「実はサマースプリントシリーズの後半2戦(キーンランドC、セントウルS)に参戦しないでチャンピオンになったのは、10年の歴史でベルカントが初めてなんですよ。“シリーズで消耗→本番(スプリンターズS)で振るわず”というこれまでのパターンとは臨戦過程が違うわけですし、実際に調教でも最高にフレッシュな姿を見せてますからね。“バクシンオー産駒が勝てない”という、もう一つのジンクスともども、打ち破ってくれるでしょう」

小桧山「この2連勝は、ともに完勝と言える内容だったし、前走なども牝馬で55キロのハンデを背負わされたものだからな。一昨年もそうだったけど、3週目からのCコース使用で、追い込み一辺倒の馬では厳しい馬場。だったら、ある程度、前目で運べる馬。そして牝馬優勢のデータからも◎でいいだろう」

目黒「牡馬並みのハードトレーニングが実になってパワーアップした今なら、坂も問題ないですし、角田師も“勝って香港へ”と、その先を見ているほどの期待ぶりです」

田崎「とはいえ、ベルカントの2連勝は全てが上手く行った感も否めませんね。メンバーもグッと強くなるわけですし、無視はできなくても過大な評価はどうかと思います」

デスク「あと、意外とTMの支持が多いのがハクサンムーンだが、まずは喋りたくてウズウズしてる那谷に語ってもらおうか」

那谷「8着に終わった前走の直後は酒井騎手も“休み明けとしか考えられない……”と首をひねっていたんだけど、ラップを改めて確認して敗因はつかめたんだ。その前走は、完全な“後傾ラップ”の瞬発力勝負で、この馬自身ですら最近2年で最速の上がりだったもの。もともと、溜めて伸びるタイプではなく、速いラップを刻んで後続になし崩しに脚を使わせて粘り込むスタイルだから、“前傾ラップ”じゃないとダメなんだよ」

清野「前走は逃げ切り決着でしたが、ハナと2番手では大きく違う結果となったのも仕方ない競馬ですよね」

持木「抑える競馬もできるようになったとはいえ、ベストはハナを切る形ですからね。今回は何が何でも行き切るんじゃないでしょうか」

那谷「だよな。スプリンターズSは過去10年全てが“前傾ラップ”で、しかも西園師からは“出ムチを入れてでも絶対に行ってもらう”というコメントも出ているんだから。ロードカナロアと接戦を演じた全盛期の力には及ばないかもしれないが、春の高松宮記念では健在ぶりを示したんだから、評価を下げる必要はないよ」

中邑「今回のように、最終追いで一杯に追って4F51秒台〜1F12秒台にまとめた時は、デビューから4度あって3勝とGI2着という馬ですから、調教内容からも一変が期待できますよ」

守屋「僕にも喋らせてください。ハクサンムーンは、過去にも不可解な敗戦があった馬で、そもそもムラっぽいところがあるんですよ。前走が人気で惨敗した馬が急激に人気を落とす時は、印を打つ上でも常に狙っているんですが、今回はまさにそのパターンに該当しますね」

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著者プロフィール

競馬専門紙「優馬」のスペシャル競馬サイト。トレセンや競馬場という現場で記者やトラックマン達が仕入れてきた生情報を元に、予想記事やコラム記事を掲載しています。さらに、競馬ファンのニーズに対しダイレクトに応えていくようなコンテンツも展開。

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