大和哲也、WBCムエタイ初防衛に失敗…=快調な出足だった初回にダウンし判定負け

長谷川亮

WBCムエタイ世界スーパーライト級王者・大和哲也が暫定王者アランチャイ・ギャットパッタラパンを攻めきれず、判定負け。王座から陥落した 【長谷川亮】

 「NJKF 2015 6th」が27日、東京・後楽園ホールで開催された。メインイベントは昨年11月に梅野源治とともに日本人初のWBCムエタイ世界王者(スーパーライト級)となった大和哲也(大和)の初防衛戦。一足早く7月に防衛を成し遂げた梅野に続くべく、同級暫定王者アランチャイ・ギャットパッタラパン(タイ)と対戦した。

 初回、プレッシャーを掛けてアランチャイにロープを背負わせ、ローを浴びせて快調な出足に思われた大和だが、アランチャイは右クロスを振るって効かせ、そこから連打を集めてダウンを奪取。立ち上がった大和だがダメージは色濃く、残り時間が少なかったこともあり、何とかしのいで初回を終える。

初回、快調な出足だったが、アランチャイの右クロスからの連打でダウンを喫する 【長谷川亮】

最終5R、逆転を狙って前に出た大和 【長谷川亮】

判定3−0で大和からWBCムエタイ王座を奪取したアランチャイ 【長谷川亮】

 2R以降、さらにローを浴びせ、剛腕・左フックを顔とボディに振るって逆転を狙う大和だが、アランチャイは前蹴りで距離を作り、大和に負けない威力で右ローを打ち込んでくる。大和が左フック&左ボディフックを当てる場面を見せても、アランチャイはロー、ミドル、前蹴りと攻撃を返し、大和にパンチをまとめる場面を与えない。

 最終5R、鬼気迫る様子でダウンの挽回そして逆転へと前に出た大和だが、アランチャイは変わらずの前蹴り、そして得意とする首相撲で絡め取って大和の反撃を封じて試合終了。

 前回、体重超過による減点が響きムエタイ強豪ゴーンサック(タイ)に敗れた大和は、今回の試合に名誉挽回を懸けたものの、再び判定で敗れ(49−46、50−45、49−47の3−0)連敗を喫してしまう形に。虎の子の世界王座はアランチャイの手によりタイへ持ち去られてしまった。

宮元啓介、世界取りへKO勝利

KO勝ちでWBCインターナショナル王座を獲得した宮元啓介は世界取りを宣言 【長谷川亮】

 また、この日は世界タイトルマッチのほか、インターナショナル王座、日本統一王座などWBCムエタイ王座戦を4試合実施。

 セミファイナルでは昨年、ベテラン国崇に僅差で敗れた宮元啓介(橋本道場)がフランスのアレクシス・バラテウから三日月蹴りとボディフックで計3度のダウンを奪って2RにKO勝ち。2年越しで悲願のインターナショナル王座を手にすると、さらに世界タイトルを目指すと宣言した。

MOMOTAROが日本王者

WBCムエタイ日本統一フェザー級タイトルマッチは挑戦者MOMOTAROがTKO勝ち 【長谷川亮】

ブラジル国籍を持ちタイ人トレーナーにムエタイを学ぶ知花がWBCムエタイ日本統一バンタム級王座を奪取 【長谷川亮】

悠矢は13年12月に敗れた皇治にリベンジしてWBCムエタイ日本統一スーパーフェザー級王座を戴冠 【長谷川亮】

 フェザー級の日本統一タイトルマッチは挑戦者MOMOTARO(OGUNI)が王者・笹羅歩(笹羅)を最終5Rに左のタテヒジで切り裂きTKO勝ち。王座をものにするとともに、これでタイでの非公式戦を含め10連勝とした。

 スーパーフェザー級とバンタム級ではどちらも日本統一王座の決定戦が行われ、それぞれ悠矢(大和)と知花デビット(ワイルドシーサー群馬)が勝利。悠矢は13年12月に敗れた皇治(SFK)にリベンジして戴冠を果たし、ブラジル国籍を持ちタイ人トレーナーにムエタイを学ぶ知花も王者となった。

大会結果

■「NJKF 2015 6th」
9月27日(日)東京・後楽園ホール

<第9試合 メインイベント WBCムエタイ世界スーパーライト級王座統一戦 3分5R>
○アランチャイ・ギャットパッタラパン(タイ/同級暫定王者)
(判定3−0)
●大和哲也(大和ジム/王者)
※50−46、50−45、49−47
※アランチャイが新王座に就く

<第8試合 セミファイナル WBCムエタイ・インターナショナル・スーパーバンタム級王座決定戦 3分5R>
○宮元啓介(橋本道場/WBCムエタイ日本統一同級王者)
(2R3分04秒 KO)
●アレクシス・バラテウ(フランス/WBCムエタイ世界同級16位)
※宮元が新王座に就く

<第7試合 WBCムエタイ日本統一フェザー級タイトルマッチ 3分5R>
○MOMOTARO(OGUNI−GYM/NJKFフェザー級王者/挑戦者)
(5R1分10秒 TKO)
●笹羅 歩(笹羅ジム/WBCムエタイ日本統一フェザー級王者)
※MOMOTAROが新王座に就く

<第6試合 WBCムエタイ日本統一スーパーフェザー級王座決定戦 3分5R>
○悠矢(大和ジム/NJKFスーパーフェザー級王者)
(判定3−0)
●皇治(SFK/HEATライト級王者、初代TRIBELATEスーパーフェザー級王者)
※50−47、49−47、49−48
※悠矢が新王座に就く

<第5試合 WBCムエタイ日本統一バンタム級王座決定戦 3分5R>
○知花デビット(ワイルドシーサー群馬/INNOVATIONバンタム級王者)
(判定3−0)
●前田浩喜(CORE/NJKFバンタム級王者)
※50−49、49−48、49−47
※知花が新王座に就く

<加藤竜二引退エキシビションマッチ>
―加藤竜二(橋本道場/元WBCムエタイ日本&インターナショナルフライ級王者、元INNOVATIONフライ級王者)
(勝敗なし)
―小宮山工介(北斗会館/前RISEスーパーフェザー級王者)

<第4試合 スーパーファイト 67垠戚鵝。格3R>
○健太(E.S.G/元WBCムエタイ日本ウェルター級王者、元Krush −70kg王者、元NJKFウェルター&スーパーウェルター級王者)
(3R0分27秒 TKO)
●セイサック・エスジム(タイ/エスジム)

<第3試合 交流戦 70垠戚鵝。格3R>
○MIKE JOE(拳伸ジム/INNOVATIONスーパーウェルター級8位)
(1R2分26秒 KO)
●YETI達朗(キングジム/NJKFスーパーウェルター級王者)

<第2試合 INNOVATION日本スーパーライト級次期挑戦者決定戦 3分3R>
○田中秀和(橋本道場/INNOVATIONスーパーライト級1位)
(判定2−1)
●潘 隆成(クロスポイント吉祥寺/INNOVATIONスーパーライト級2位)
※29−28(田中)、30−29(潘)、29−28(田中)

<第1試合 交流戦 スーパーライト級 3分3R>
○一輝(OGUNI-GYM/NJKF スーパーライト級2位)
(判定2−1)
●畑 孟(ワイルドシーサー群馬/INNOVATIONスーパーライト級8位)
※29−28(一輝)、28−27(畑)、29−28(一輝)
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著者プロフィール

1977年、東京都出身。「ゴング格闘技」編集部を経て2005年よりフリーのライターに。格闘技を中心に取材を行い、同年よりスポーツナビにも執筆を開始。そのほか映画関連やコラムの執筆、ドキュメンタリー映画『琉球シネマパラダイス』(2017)『沖縄工芸パラダイス』(2019)の監督も。

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