日本代表の対戦相手を戦術から分析 ラグビーW杯プールB展望
サモア代表戦<10月3日(土)22:30キックオフ>
サモア代表の司令塔であり、日本のサントリーでも活躍するトゥシ・ピシ(右) 【写真:ロイター/アフロ】
サモア代表は大型WTBアレサナ・ツイランギ(185センチ、111キロ)を筆頭にFW、BKといったポジション関係なしに、強く激しいプレーが持ち味だ。アタックでも「3ポッド」を採用しているが、それほど複雑なものでもなく、選手を配置しているだけで、あとは個々の判断を重視。縦に突破したら、横に展開するという形だ。ただSHカーン・フォトゥアリイ、サントリーでもプレーしているSOトゥシ・ピシのハーフ団は、判断力に優れ、2人だけで突破できてしまうため、要注意だ。この2人を自由にさせてはいけない。
ディフェンスでも個々が飛び出してくることが多いので、日本代表は冷静にプレーして、そのギャップを狙いたい。スクラム、ラインアウトも同様で個々が重く、激しいけれど、日本代表はしっかり組織でプレーすれば対抗できるはずだ。相手の個に対して、日本代表がチーム力で戦えば、十分に接戦に持ち込める。
アメリカ代表戦<10月12日(月)4:00キックオフ>
アメリカ代表は個々の強さと、大舞台で実力を発揮できるメンタルが持ち味 【写真:Action Images/アフロ】
基本的には、アメリカ代表はサモア代表と似たチームで、元アメフト選手のLOヘイデン・スミスやNo.8サム・マノアらフィジカルに優れた選手がおり、やや組織的だが、迫力はサモア代表ほどではない。やはり「3ポッド」を採用しているが、日本代表もその対策は十分できているはずだ。
また、この4年間の対戦から、スクラムは圧倒しており、W杯でも変わることはない。モールからの攻撃も、ボールを継続しての攻撃も十分に通用するはずだ。相手のバックスリー(WTBとFBの総称)にWTBタクズワ・ングウェニアら速いランナーもそろうが、カウンターを警戒しつつ、しっかりとゲームをコントロールすることができれば、大いに勝算はあるはずだ。
19年の日本大会につながる戦いを
W杯の経験が豊富なエディー・ジョーンズHC(中央)の手腕に注目 【写真:アフロ】
ラグビーのW杯は、サッカーと違って、開催国枠というものが、今のところ存在しない。各プール3位以上の12チームが次大会の出場権を獲得できるからだ。2019年にはW杯の日本開催を控えている。日本代表は最低でもプール3位以上に入って、この4年間の成果と努力、その鍛え上げられたチーム力を証明してほしい。