打って声を枯らして、松田宣浩の流儀=鷹詞〜たかことば〜

田尻耕太郎

目指したのは「一番声が出て、元気のあるチーム」

今季の松田は本塁打が激増、強力打線の一翼を担った。また、毎試合声を張り上げチームを盛り上げた 【写真は共同】

 選手会長になり一番に目指したのは「12球団で一番声が出て、元気のあるチーム」。目上の選手が率先して声を張り上げる。松田は毎試合終了後には声がガラガラになっている。それでも翌朝になるときちんと治っているから、チームメイトの中にも驚きの声があがるほどだ。

「野球選手なので、野球のときは元気を出して、あとは影を消すんです。このメリハリです。1日中元気を出すとバテてしまうので。僕は家に帰ったら静かにしています(笑)」

 普段は気さくな松田が、ここ数年は試合前の練習時間などに他人を寄せつけないオーラを放つようになった。その姿は、以前キャプテンだった小久保裕紀氏(現・侍ジャパントップチーム監督)を彷彿とさせるのだ。

 今季プロ10年目。32歳を迎えた。
「僕は遅咲きの選手ですから。これから先も36歳くらいまではバリバリ行って、その流れで“貯金”を作って、40歳を越えてもまだバリバリやりたいですね」

 最強ソフトバンクに松田選手会長がもたらす好循環。まさしく鷹の黄金時代が、今ここにある。

2/2ページ

著者プロフィール

 1978年8月18日生まれ。熊本県出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。2002年卒業と同時に、オフィシャル球団誌『月刊ホークス』の編集記者に。2004年8月独立。その後もホークスを中心に九州・福岡を拠点に活動し、『週刊ベースボール』(ベースボールマガジン社)『週刊現代』(講談社)『スポルティーバ』(集英社)などのメディア媒体に寄稿するほか、福岡ソフトバンクホークス・オフィシャルメディアともライター契約している。2011年に川崎宗則選手のホークス時代の軌跡をつづった『チェ スト〜Kawasaki Style Best』を出版。また、毎年1月には多くのプロ野球選手、ソフトボールの上野由岐子投手、格闘家、ゴルファーらが参加する自主トレのサポートをライフワークで行っている。

新着記事

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント