かつてなくスペイン色が濃いCLが開幕 グループを勝ち抜くのはどのチームか!?

サプライズの可能性はあるのか

昨シーズンはバルセロナが優勝。今季も常連組がタイトルを争うと見られる 【写真:ロイター/アフロ】

 リーガ・エスパニョーラから史上初めて5チーム(バルセロナ、レアル・マドリー、アトレティコ・マドリー、バレンシア、セビージャ)が出場する今季のチャンピオンズリーグ(CL)が、いよいよ現地時間15日にスタートする。

 ジョゼップ・グアルディオラ率いるバイエルン・ミュンヘンは今季こそヨーロッパの頂点に立つことができるのか。まだ決勝トーナメント1回戦の壁を破れていないマンチェスター・シティは優勝候補の一角に食い込むことができるのか。これらの疑問はみな、これから徐々に明かされていくことになる。ただ上記のチームにマンチェスター・ユナイテッド、パリ・サンジェルマンなどを加えた常連組以外のチームが優勝争いに加わるのは現実的に見て難しいだろう。

 それでも昨季スクデットとコッパ・イタリアを制したユベントスがバルセロナとの決勝に勝ち進んだように、フットボールには常にサプライズの可能性が用意されているものだ。

 とはいえアンドレア・ピルロ、アルトゥロ・ビダル、カルロス・テベスらを放出した今季のラ・ベッキア・シニョーラ(イタリアの貴婦人という意味。ユベントスの愛称)は新たなチームを作り上げるまでの移行期を必要としており、現時点では昨季ほどのポテンシャルが残っていない。しかもユベントスは、ラヒーム・スターリングやケビン・デ・ブライネ、ニコラス・オタメンディらを補強し、プレミアリーグで首位を快走するマンチェスター・シティ、ヨーロッパリーグ(EL)2連覇中のセビージャ、ドイツの古豪ボルシア・メンヘングラードバッハがそろう最難関のグループDに組み込まれてしまった。

レアルとパリが同居するグループA

レアルは週末の試合でC・ロナウド(右)が5ゴールと大爆発。パリと同居するグループAでも本命に推される 【写真:ロイター/アフロ】

 それでは、その他のグループはどうか。グループAの大本命はレアル・マドリーだ。先週末のエスパニョール戦(6−0)でもクリスティアーノ・ロナウドが5ゴールを挙げた持ち前の得点力に加え、今季のロス・ブランコス(レアル・マドリーの愛称)はラファエル・ベニテス新監督の手で堅固な組織力を構築しつつある。そのライバルとなるのはアンヘル・ディ・マリアを獲得したパリ・サンジェルマンで、三番手のシャフタール・ドネツクがサプライズを狙う。残念ながらマルメは予想の対象にすら入っていない。

 グループBではメンフィス・デパイ、バスティアン・シュバインシュタイガー、アントニー・マルシャルらを補強したマンチェスター・ユナイテッドが頭一つ抜けており、実力の拮抗したPSVアイントホーフェンとCSKAモスクワ、そして主力選手を引き抜かれたヴォルフスブルクが残る一枠を争う構図となりそうだ。

 グループCではディエゴ・シメオネ率いるアトレティコの実力が突出している。とはいえ、現状アトレティコはジャクソン・マルティネスやルシアーノ・ビエット、ヤニック・フェレイラ・カラスコら優秀なアタッカーを多数補強したにもかかわらず、リーガの3試合を見た限りはそのプレーに大きな変化が見られていない。2番手を争うのは伝統の攻撃的スタイルを貫くベンフィカとガラタサライ。FCアスタナもカザフスタン勢初の出場チームという点で注目したい。

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著者プロフィール

アルゼンチン出身。1982年より記者として活動を始め、89年にブエノス・アイレス大学社会科学学部を卒業。99年には、バルセロナ大学でスポーツ社会学の博士号を取得した。著作に“El Negocio Del Futbol(フットボールビジネス)”、“Maradona - Rebelde Con Causa(マラドーナ、理由ある反抗)”、“El Deporte de Informar(情報伝達としてのスポーツ)”がある。ワールドカップは86年のメキシコ大会を皮切りに、以後すべての大会を取材。現在は、フリーのジャーナリストとして『スポーツナビ』のほか、独誌『キッカー』、アルゼンチン紙『ジョルナーダ』、デンマークのサッカー専門誌『ティップスブラーデット』、スウェーデン紙『アフトンブラーデット』、マドリーDPA(ドイツ通信社)、日本の『ワールドサッカーダイジェスト』などに寄稿

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