この上ない滑り出しを見せた岡崎慎司 ゴールを決め、チームに欠かせない存在へ
開幕2戦目でプレミア初ゴール
ウェストハム戦でプレミア初ゴールを決めた岡崎。チームも2連勝と、この上ない滑り出しとなった 【Getty Images】
試合後のミックスゾーンで、レスター・シティの岡崎慎司は充実感を漂わせながら自身のプレミア初ゴールを振り返った。
15日に行われたウェストハムとのプレミアリーグ第2節。中盤フラット「4−4−2」の2トップに入った岡崎は、キックオフから精力的に走りまわった。前線から執拗(しつよう)なチェイシングで敵のパス回しを追いかけ、空中戦でも敵に身体を激しくぶつけてボール奪取を試みる。一方で攻撃でも、2トップでコンビを組むジェイミー・バーディの後方、セカンドトップの位置からペナルティーエリア内にたびたび侵入。パスとフリーランで、中盤と最前線の「つなぎ役」をスムーズにこなした。
そんな中、27分に岡崎の先制ゴールが生まれた。「良い仕事をしたと思われても、ゴールを決めなきゃ意味がない」と語っていた日本代表FWにとって、待望の得点である。
積極果敢にシュートを意識
「(浮き球に)GKがもう一度ブロックにくると思ったが、ボールに反応していたのが自分だけでよかった」と岡崎。さらに分析する。
「バーディが良いクロスボールを入れてくれた。今までの自分だったらそこで一度トラップしていたと思うが、やっぱり『思い切れた』というのがよかった。直接打ったのはプレミア仕様? 動きが大胆な選手たちを目の当たりにして、自分もダイレクトで打たないといけないなと。あと、このチャンスを逃したくない気持ちもあった。そういうのが集中力につながったのかな」
バーディがボールを受けた時点で、相手マーカーをスピードで振り切っていた岡崎は、さらに「前へ」と右手のジェスチャーでクロスボールを要求していた。そして、フリースペースへ飛び出して直接シュート。GKとの距離は5〜6メートルだったので、もしトラップしていたらGKが前方に飛び出してブロックされていた可能性は高い。
加えて、おそらく日々のトレーニングで、無理な体勢でも積極果敢にシュートを狙うチームメートの姿に触発されていたのだろう。自分の中でイメージを消化し、試合の中で実践した技ありのゴールだった。
周囲との連携も深まる
周囲との連携も深まり、岡崎(右)の存在感が増している 【Getty Images】
そんな岡崎の積極的な姿勢に呼応するかのように、周囲との連携も深まってきている。これまでは岡崎が周りの動きを察知し、気の利いたヒールキックや囮(おとり)の動きで味方の好機を演出することはあっても、反対に、周囲の選手が岡崎の動き出しに反応し、縦パスやグラウンダーのクロスを供給することはまれだった。ところが、この試合では一定の改善を見せた。岡崎のフリーランにピタリと足元につけた、得点場面でのバーディのクロスボールが好例だろう。岡崎の存在感がレスターで増している証拠と言える。