大日本プロレス旗揚げ20年で初の両国進出 岡林が関本を倒しストロング王座初戴冠

高木裕美

大日本プロレス初の両国大会で岡林は関本を破りストロング王座初戴冠 【花田裕次郎】

 20日の大日本プロレス「両極譚〜RYOUGOKUTAN〜」東京・両国国技館大会では、4大タイトルマッチなどを開催。旗揚げ20年にして初進出となった両国大会にふさわしい、熱く激しい戦いを繰り広げた。
 メインイベントのBJW認定世界ストロングヘビー級選手権試合では、岡林裕二が王者・関本大介に初勝利し、王座初戴冠を果たした。岡林はかつて関本に憧れて大日本への入団を決意。タッグパートナーとして、BJWタッグ王座や全日本プロレスのアジアタッグ王座など、団体の枠を超えて数々のタッグ王座を獲得してきた。

豪快パワーボムで「関本超え」

ゴーレムスプラッシュからの豪快なパワーボムで関本を粉砕 【花田裕次郎】

 晴れの舞台での「関本超え」を目指す岡林は、開始早々、関本のエルボーで鼻血が出るアクシデントに見舞われながらもまったく動じず。プランチャやミサイルキックなど、初披露の技を次々と繰り出し、関本や観客を驚かせると、アルゼンチンバックブリーカーを食らった直後に即座にアルゼンチンでお返し。関本のラリアット、ジャーマンスープレックスもカウント2でクリアしてみせ、ゴーレムスプラッシュからのラストライドでついに関本から3カウントを奪ってみせた。

 2つの勲章を一度に手に入れた岡林は、喜びのシャウト。「一生忘れません」と、関本からの初勝利と、大観衆の両国大会のメインイベントを締めた興奮に酔いしれつつ、「これからが勝負。やっと同じ目線に立っただけ。必ず関本さんを超える」と、真の関本超えに燃えると、「もっともっと大日本を大きくしていく」と、21年目の大日本でのさらなる躍進を誓った。

デスマッチ集大成マッチで伊東が小林を粉砕

旗揚げ20周年を記念し20種の凶器が使用されたデスマッチは伊東が小林を粉砕 【花田裕次郎】

 セミファイナルのBJW認定デスマッチヘビー級選手権試合では、「20周年記念20アイテムデスマッチ」と題し、王者アブドーラ・小林と“デスマッチドラゴン”伊東竜二が激突。旗揚げ20周年を記念し、20種の公認凶器が使用され、デスマッチの歴史の集大成となる壮絶な戦いとなった。

 コンクリートブロックを土俵のように並べ、100キロの塩が用意されたリング上で繰り広げられたのは、まさに地獄絵図。会場の都合で蛍光灯などのアイテムは使用禁止となったものの、ラダー、テーブル、有刺鉄線ボード、電撃殺虫ボード、竹串、ステープラー、剣山、サボテン、ノコギリ、レモン、唐辛子など、定番からなつかしのアイテムまで登場。小林はアイアンフィンガーフロムヘヴン、ベアークローなどのアイテムから大好きな新日本殺法でラッシュをかけるも、伊東が大日本のエースの意地を爆発。小林の顔面に注射器を突き立てると、必殺のドラゴンスプラッシュで勝負を決めた。

 6度目の戴冠を果たした伊東は「こんなメチャクチャな試合を認めてくれてありがとう」と感謝の気持ちを示しつつ、「もうベルトを落とさない」と、エースの座とベルトを守り続けると誓った。

ツインタワーズがヤンキー二丁拳銃を返り討ち

ヤンキー二丁拳銃を返り討ちにしタッグ王座を防衛したツインタワーズ 【花田裕次郎】

 BJW認定タッグ選手権試合では、佐藤耕平&石川修司のツインタワーズが、木高イサミ&宮本裕向のヤンキー二丁拳銃の挑戦を退け7度目の防衛に成功した。
 ツインタワーズは昨年5月に二丁拳銃からタッグ王座を奪取。年末のタイトルマッチでも30分時間切れで防衛に成功していた。

 機動力でかき回す挑戦者組に対し、王者組は体格差とパワーで終始圧倒。石川が宮本を花道上でのジャイアントドライバーで動けなくすると、孤立したイサミを痛めつけ、最後はクロスアーム式スプラッシュマウンテンでフィニッシュ。過去に17度の王座防衛に成功した「最高」のタッグチームを退けた石川は「オレたちがベルトを守り続ける」と新記録樹立を宣言した。

73歳のグレート小鹿が新王者に

現役最年長73歳のグレート小鹿(中央)が王座初戴冠 【花田裕次郎】

 普段は商店街プロレスで争われる横浜ショッピングストリート6人タッグ選手権試合では、グレート小鹿&星野勘九郎&稲葉雅人の極道トリオが、バラモンシュウ&バラモンケイ&植木嵩行組を倒し王座初戴冠。現役最年長73歳の小鹿が、両国の大舞台でベルトを巻いた。
 王者組は○ーポ君を使ったゴムパッチン攻撃や、ハミガキ粉なすりつけなど、精神的なダメージを与える攻撃を連発。だが、小鹿組も王者組のお株を奪うボーリング攻撃でストライク!を決めると、植木の暴挙にも動じない鉄の心臓ぶりを見せ付けた小鹿が、テキサスクローバーホールドで勝利。73歳の新王者誕生を、観客も笑顔で祝福した。
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著者プロフィール

静岡県沼津市出身。埼玉大学教養学部卒業後、新聞社に勤務し、プロレス&格闘技を担当。退社後、フリーライターとなる。スポーツナビではメジャーからインディー、デスマッチからお笑いまで幅広くプロレス団体を取材し、 年間で約100大会を観戦している 。最も深く影響を受けたのは、 1990年代の全日本プロレスの四天王プロレス。

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