小久保監督、プレミア12の鍵は“先発” 王特別顧問は優勝に期待「勝てる」

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王特別顧問、短期決戦は「ムードづくりが大事」

――プレミア12開催の意義をどう考えていますか?

熊崎コミッショナー 日本の野球界の将来を考えた場合、青少年を中心に、野球に対する夢を膨らませることを期待したいです。そのため、侍ジャパンには、日本の野球の力を内外に強く示していってほしいです。

――MLBの招集に関して、可能性をどう見ていますか?

熊崎コミッショナー 各国の詳しいところは分からないのですが、各チームが強い選手を派遣してくると聞いています。日本の初戦の相手、韓国はトップチームで臨むそうですので、日本の野球の力を示すためにも、強力な侍ジャパンチームで戦っていく必要があるという気持ちに変わりはありません。

小久保監督 MLBの(招集に関する)考えがまだ出ていないので、それが出てから(日本人選手の所属球団に接触すること)になると思います。

――第1回WBC監督でもある王特別顧問が考える、短期決戦で大事なことは?

王特別顧問 戦力的に言えば、日本を代表する最高の選手が集まるわけですから、みんなが一体となって、自分の最高のプレーを出すんだというムードづくりが大事だと思います。不思議と、いざという時、(日本の選手は)すごい力を出してくれますので、監督・コーチは選手を信頼し、選手に思い切ったプレーをさせてほしいですね。

――ライバルチームはどこだと思いますか?

王特別顧問 以前とは異なり、どこの国も優勝するんだという、真剣な気持ちで臨んできますので、絞りきれないですね。ヨーロッパや中南米、アジアも強いですね。一戦一戦、目の前の対戦相手に勝つという気持ちでやってほしいですね。

――日の丸の重みをどう思いますか?

王特別顧問 日の丸を背負うことで、チームが一体となって、「みんなで勝つんだ」という気持ちが、普段の試合以上にストレートに出るようになりますね。今回の試合でも選手たちは力を発揮してもらえると思います。

ソフトバンク・柳田、西武・森に注目

――小久保監督に聞きます。試合日程が出ましたが、あらためて感じることは何ですか?

小久保監督 より一層タフな戦いになるだろうなということは予想できます。日程を見ても、日本シリーズが第7戦までいけば、11月1日までありますので、8日開幕というコンディションの難しさもあります。日本で開幕して、台湾に移動し、連戦が続く。選手のコンディションを予測しながら人選し、先発投手が、どこの国に対して先発するか、前もって決めていく必要があるかなと思います。

――先発投手のプランはどの程度、固まっていますか?

小久保監督 選手の状態を第一優先に見ながら、今シーズン、数字を残している選手。あと、ベテラン、中堅、若手のバランスを重視した選考にしたいと思います。

――今シーズン、ここまでで注目して(見て)いる選手は?

小久保監督 やはり昨年の日米野球や今春の欧州代表戦で戦ってくれたメンバーには、特に目はいきます。彼らの状態は非常に気にして見ています。

 あと、若いメンバーですと、急激に成長した選手は、柳田(悠岐、福岡ソフトバンク)がファンを引き付けるプレーヤーになってきたなと思いますし、西武の森(友哉)は注目しています。

――ベテランの力で言えば、広島の黒田博樹投手の招集の可能性は?

小久保監督 可能性で言えば、「可能性はあります」となります。ただ、あくまで当人と話をしながら、疲労も考慮しないといけません。まだMLBの派遣ルールがはっきり決まっていませんので、そこの情報待ちとなります。全部出そろったところで編成を考えたいです。

東京五輪での実施へ「野球の素晴らしさ、力を内外に見せる」

――東京五輪の追加種目、8種目に野球が残りましたが、どう思われますか?

王特別顧問 われわれは目の前のことを1つ1つやるしかない。理想としては最高のもの(五輪種目の復帰)を考えていますが、日本の野球のレベルを上げる、青少年の将来の大きな目標になるように、われわれは、目の前の大会(プレミア12)で最高のプレーを出していかないといけない。今は、常に(世界に)チャレンジできる目標があって、やりがいのある時代になったなと思います。

熊崎コミッショナー まだ正式に決まったわけではありませんし、これまで以上に野球とソフトボールが一体となって、種目の復帰に努力をしていかなければならないと心新たにしています。プレミア12が開催され、野球の素晴らしさ、力を内外に見せることができること、五輪に向けた意味も深くなると思います。

小久保監督 野球界に携わる者としては、東京五輪で復活してもらいたいですし、東京だけでなく、その先の五輪において、野球・ソフトボールが復活してもらえたらと思います。代表(監督の立場)としては、代表チームは強くあり続けなくてはならないと思いますので、プレミア12やWBCで世界のトップチームと互角に戦えるところを示し続けることが日本の野球の底辺拡大につながり、子どもたちに対してあこがれのチームであり続けられるのではないかと思います。

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