元巨人・星野真澄が目指す、次なる目標 新天地で生かすプロ野球の経験

週刊ベースボールONLINE

目標は都市対抗野球大会出場

10年には1軍で34試合に登板し中継ぎの一角を担った星野。巨人の経験が現在の仕事にも生きているという 【写真=BBM】

 いまだに社会人野球レベルなら打者を抑えられるという確信がある。

「多くの方から、どうやって抑えられるかということを教わりましたし、競争の激しい巨人1軍で自分の仕事場をどうやって全うでき、結果を残せるか、そして勝つためのアプローチは何が必要かということを学び、経験しましたから」

 実際に社会人チームとの試合で投げ実感した。だが、故障した股関節は野球をするには限界がきている。14年もその激痛との闘いだった。

 現在は、朝6時に起き千葉県内、江戸川区の球場で練習を行い、午後3時に出社する毎日。目標はチームの都市対抗野球大会出場だ。そのためには究極の場面でマウンドに上がるつもりで体を鍛えている。そして、自分が培った経験をチームの投手たちに伝え続けている。

自分の経験をセカンドキャリアで生かす

 結果に直接結びつくために何が必要か──星野の今のテーマである。それは現役時代と同じ作業だが、今の職業でもまったく変わらない。お客が求める体づくりで、素早く結果に結びつくトレーニングとは何か……。チームが夢の舞台に立つために、その結果を残すために何が必要か……。プロ野球というファーストキャリアで培った経験を今、セカンドキャリアで生かせる場所がある。

 ジムの中では、自分の経験を生かしつつ、お客のニーズに合った方法を、お客とともに見つける。それが自分の経験に蓄積され、次のお客へ素早い結果を与えられることにつながっている。球場では、いかに抑えられるかという方法論と心理的な部分を教えられる。

 やみくもに投げるだけではなく、考えながら投げることで、結果に早くつながっていく。 野球部が社会人の強豪になれば、トレーニングも技術も教えられるチームとして認識される。それが野球界への新しい風になるかもしれない。

「股関節のことを考えると、僕が投手として手助けできるとしたら来年までかもしれません」

 だが、今は大きな目標がある。お客の体つきが変わり成果を挙げることと、チームの勝利。2つの目指す道──大きな生きがい「目の輝き」は、必然のことなのである。

(取材・文=椎屋博幸)

星野 真澄(ほしの・ますみ)

1984年4月4日生まれ。埼玉県出身。埼玉栄高から愛工大へ進み、社会人野球バイタルネット、BCリーグ信濃から10年の育成ドラフト1位で巨人に入団。1年目の3月に支配下登録になり1軍で34試合に登板。12年に左股関節唇の修復手術を受けたが、オフに再び育成選手となった。復帰した13年7月に再び支配下登録されたが14年は1軍登板なく戦力外通告を受けた。その後現役引退し15年1月にゴールドジムに就職。現在はトレーナー兼ゴールドジム野球チームの選手兼投手コーチ。1軍での通算成績は43試合に登板し1勝0敗0セーブ、47回1/3、25失点、防御率4.37。

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