理想的なフォームの日本人ランナーとは? 青山剛のランニングナビ

青山剛

【写真:アフロスポーツ】

「体幹で走る」ことは、すべてのランナーが目指すべき究極のフォームです。今回は私がこれまで競技者、そしてランニングコーチとして数々のランナーを見てきた中で、体幹を見事に使った「理想的なフォームの日本人ランナー」を3人、独断で選んでみたいと思います。

「THE・体幹走り」の瀬古利彦

【写真:長田洋平/アフロスポーツ】

 まず1人目のランナーは、私が中学生で陸上競技部に入り、走り始めて間もない時期にそのフォームを生で見て衝撃を受けたランナーから。
<瀬古利彦プロフィール>
 1956年7月15日、三重県桑名市生まれ。国内外のフルマラソンで15戦10勝の戦績。トラック競技でも2万5000mと3万mで当時の世界記録を樹立するなど、1970年後半から80年代にかけて最強と呼ばれたランナー。現在はDeNAランニングクラブ総監督を務める。

<フォームのポイント>
 私が中学2年生だった1988年に、ちょうど瀬古選手の引退レース(第1回国際千葉駅伝)が地元で開催されました。陸上を始めて間もなかった私は、とにかくダントツで強い瀬古選手に興味を持ち、彼の練習方法等が書いてある書籍をむさぼり読んでいたので、そのフォームを生で見ることができる最後のチャンスに観戦へ出掛けました。

 そしてレース当日、日本チームのアンカーで陸上競技場に現れた瀬古選手のそのフォームに衝撃を受けました。「頭の位置が全く上下動していない」のです。スピードは相当速いのに、あたかも早歩きをしているかのような滑らかなフォームでした。現在コーチとなった私が改めてそのフォームを分析すると、それこそ「THE・体幹走り」なのです。

「究極の体幹の強さ」+「究極に体幹を使えている」という状態。まさに日本人の骨格が目指すべき理想のフォームでした。あの上下動の少なさは、あとにも先にも瀬古選手しか見たことがありません。

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著者プロフィール

元プロトライアスリート。大学時にプロ活動を開始し、1999年世界選手権日本代表に選出される。その後トライアスリート中西真知子選手のコーチとなり、指導者としての活動をスタート。同選手を2004年アテネ五輪出場に導く。現在は、ランニング、トライアスロン、クロストレーニングのコーチとして競技者から初心者、子供、タレントまで幅広く指導。著書に『ランニング・コアメソッド』『DVDパーフェクトストレッチ100』など多数。(社)日本トライアスロン連合強化チーム・指導者養成委員 元日本オリンピック委員会・強化コーチ

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