U18日清食品 東海ブロックリーグ2024 女子 大会レポート 井口姫愛「チームの中心として発信できる選手になりたい」浜松開誠館(静岡県)
【©U18日清食品リーグ】
6勝1敗で迎えた最終戦の相手はここまで全勝の星城(愛知)で、優勝を争う一戦となりましたが、三島ヘッドコーチはこの試合でも第1、第3クォーターは3年生を、第2、第4クォーターは1、2年生をコートに送り出しました。
試合は優勝決定戦に相応しい激闘となります。キャプテンの井口姫愛選手が「インターハイでは球際の争いで岐阜女子(岐阜県)に競り負けたので、そこを全員で意識しています」と語るように、強度の高いディフェンスと球際の強さを見せて前半を36-27とリードしますが、後半に逆転を許します。土壇場で井口選手の3ポイントシュートで追い付いてオーバータイムに持ち込みましたが、ラスト5分間は星城のディフェンスの圧力に流れをつかめず、63-68で敗れました。
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それでも、その井口選手にしてもこの「U18日清食品 東海ブロックリーグ2024」では大きな成長が見られました。この大会に臨むにあたって三島ヘッドコーチは「自己解決能力」と「発信力の向上」をテーマに掲げ、「ベンチからの具体的な指示は極力出さず、選手たちで考えることを促しました」と言います。
「流れが悪い時にどう立て直すか、その時のメンタリティが課題です。私から言われたことをただやるのではなく自分たちで解決するためには、自分の考えを発信し、共有するのが大事です。よく阿吽の呼吸と言いますが、全員が揃っていない状況で息が合うわけがないんです。だからこそ『こうしてほしい』と発信しなければいけない。それができるようになればバスケットボールは楽になります。大人になってからも必要となるコミュニケーション能力なので、それをこの大会で学んでほしいと考えています」
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井口選手は発信するだけでなく、チームの発信を引き出すことを意識するようにもなりました。「チームもだいぶ変わってきた印象がありますが、まだ私の発信を聞いているだけの選手もいます。だから私が『こうしよう』と伝えるだけでなく、『どうしたらいいと思う?』と問い掛けてみたり、話し方を工夫しています」
大事な一戦を落としたことで「見ている人に『やっぱり後藤がいないとダメだ』と思われたのは悔しいです」と井口選手は話しましたが、彼女がチームの新たな成長を引き出し、そこに日本代表で経験を積んだ後藤選手が加わることで、浜松開誠館は夏より大きく成長し、成熟したチームになれるはずです。
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