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「コーチング」で進化したヤングジャパン
ラグビーU20世界大会に挑む

予選プールで昨年の王者などと同組に

U20代表を率いて世界に挑む中竹竜二HC(後方は遠藤哲コーチ)
U20代表を率いて世界に挑む中竹竜二HC(後方は遠藤哲コーチ)【斉藤健仁】

「ヤングジャパン」が再び、世界に挑む。


 ラグビー日本代表が9月にワールドカップを戦う前に、弟分であるU20日本代表が6月にイタリアで開催される「U20チャンピオンシップ」に参戦する。この大会は2008年から行われているU20世代の世界一を決める大会で、日本は昨年2部にあたる大会で優勝し昇格、2009年大会(当時は16チーム。2010年大会から12チームに)以来3度目の挑戦となる。


 U20日本代表は予選プールAに入り、昨年度の王者のイングランド、フランス、ウェールズと同組に。他の予選プールには南半球の強豪3カ国(ニュージーランド、オーストラリア、南アフリカ)やサモア、スコットランド、イタリアなどもおり、プール戦後、順位決定戦を行い、最下位の12位のみ降格、それ以外の11チームは来年も同大会に出場する。つまり、どこかで1勝でもできれば残留する可能性が大きくなる、というわけだ。

中竹HC「自分で指導する時間が激減しました」

日本代表のエディー・ジョーンズHCも指導に訪れた
日本代表のエディー・ジョーンズHCも指導に訪れた【斉藤健仁】

 2012年に続いて、再び、U20日本代表の指揮官に就任した元早稲田大ラグビー部監督の中竹竜二HC(ヘッドコーチ)は、「ビート・ウェールズ」、つまり予選プールで戦うウェールズ代表撃破を目標に掲げて、昨年10月から6度の合宿や2度の海外遠征を通して強化を重ねてきた。ウェールズは、中竹HCにとっては2012年の遠征で、7対119で大敗した因縁の相手だ。


「自分で指導する時間が激減しました」という通り、3年前と比べて、中竹HCの指導方針に変化が見られた。FWはU20年代を指導して4年目という遠藤哲コーチ(現立教大HC)、BKは名SOだった今村友基コーチ(キヤノン)らに任せ、自身はピッチ外で選手とのコミュニケーションに多くの時間を割いた。また、日本代表のエディー・ジョーンズHCともミーティングを重ね、実際にも何度か指導に来てもらっていた。


 さらに、「U20年代の指導経験もありましたし、僕自身、興味があったので」と中竹HCは、昨季からトップリーグのNTTコミュニケーションズの指揮官に就いていたニュージーランド(NZ)出身のロブ・ペニー氏を招聘。ペニー氏はカンタベリーを率いて4度、NZの国内リーグであるITM杯で優勝、さらに2012年にはU20NZ代表を率いて世界一に輝き、アイルランドのマンスターでも実績を残した南北を知る世界的名将の一人。「彼の指導は細かく、かつ選手に考えさせるスタイルで、僕自身にも合っていて、安心してコーチとアドバイザーをやってもらいました。さすがっていう感じでしたね」(中竹HC)

名将・ペニー氏の指導でチームが向上

世界を知るペニー氏の指導もU20日本代表の力となっている
世界を知るペニー氏の指導もU20日本代表の力となっている【斉藤健仁】

 中竹HCは、世界と戦うためS&C(ストレングス&コンディション)を鍛えるだけでなく、日本が年代問わず弱いとされている攻守の切り替えを「スパーク」と呼び、まず強化した。ペニー氏にカウンターアタックのドリルなども教えてもらい、今ではチームの武器の一つとなった。相手がキックを蹴ると、CTB(センター)の2人が素早く下がり、FB(フルバック)とWTB(ウイング)のバックスリーと合わせてラインを形成。相手を見て、攻める方向を判断しつつ、さらにFWもフォローするというイメージはチームで共有されている。


 またペニー氏から「ゴール前でFWが近場でアタックもできるようになった方がよい」とアドバイスを受けると、ラックの後ろにピック&ゴーをするため1〜2人が立ち、さらに少し離れた位置に2人立ち、トライを取る形の一つになった。本人は苦笑していたようだが、ラックの後ろに立つ選手を「ロブ」と、少し離れて立つ選手を「ペニー」と呼んでいる。190センチ台の選手が一人しかおらず、おそらく大会出場国のなかで最小のFWだが、No.8デビタ・タタフ(東海大1年)を中心にまとまりがあり、遠藤コーチも「素材的にそこまで高くないと言われていましたが、全然そんなことなく、真面目な選手が多く伸びました。運動量も力もあります。この4年で一番強いFWです」と太鼓判を押す。

斉藤健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーとサッカーを中心に執筆。エディー・ジャパンのテストマッチ全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」、「高校生スポーツ」の記者も務める。 学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「世界最強のゴールキーパー論」(出版芸術社)、「ラグビー「観戦力」が高まる」(東邦出版)、「田中史朗と堀江翔太が日本代表に欠かせない本当の理由」(ガイドワークス)、「ラグビーは頭脳が9割」(東邦出版)、「エディー・ジョーンズ4年間の軌跡―」(ベースボール・マガジン社)など著書多数。最新刊は「高校ラグビーは頭脳が9割」(東邦出版/2017年11月刊)。

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