笠松時代からの夢―“GIジョッキー”へ 柴山が託すアルビアーノの絶対的な速さ

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先行できないのは想像できない

牡馬相手のマイルGI戦でもスピードの違いで先行だ 【netkeiba.com】

 フラワーC後に、一旦放牧に出されたアルビアーノだが、トレセンに帰厩後も順調に調整が進められている。5月6日(水)に行われた最終追い切りも、予定通りに無事終了している。

「緊張は良い意味でしていないですね。癖があったり、不安がある馬の場合は、自然と考えてしまうんですけど」と、アルビアーノの話をしている間中、柴山は笑顔が絶えない。

 これまで馬込みでの競馬を経験していないため、先行できない場合にどうなるのかという心配要素もあるが、「ゲートで何かアクシデントがあって興奮して出遅れる以外は、先行できないのは想像できないですね。最悪でも2、3番手。これまで2戦目や前走で、先々を考えて位置取りを下げて競馬をさせようとも思ったのですけど、スピードが違い過ぎて無理なんですよ(笑)。せっかく素直に走っているのに、無理矢理引っ張って馬の気持ちをそぐのも嫌でしたしね。それに厩舎でも、馬群での競馬にも対応できるよう、調教の段階で練習をしてくれているようです」

 そう話す柴山の表情からは、不安は全く感じられなかった。

「長く良い脚を使えそうですし、スピードもあって力強さも兼ね備えています。そして何より、どっしりと落ち着いていますし、オンとオフがハッキリしているのがアルビアーノの強みです。3歳の女の子ですけど、頼りがいがありますよ。あとは馬のリズムを崩さずに乗るだけですね。そして馬に頑張ってもらいます(笑)。馬任せです」

勝っても多分ガッツポーズはしないんじゃないかな

笠松時代からの夢・憧れである“GIジョッキー”、柴山は叶えることができるか 【netkeiba.com】

“GIジョッキー”という響きは、柴山にとって笠松時代からの夢であり、憧れだった。その夢の実現はすぐ目の前に来ている。

「僕の性格からして、勝っても多分ガッツポーズはしないんじゃないかなと思いますね。ただアホみたいに馬を褒めていると思います」

 500キロを超える牝馬離れした馬体と豊かな才能を持つアルビアーノは、柴山を背に府中の長い直線の先にある栄光のゴールを目指す。(文中敬称略)

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