キヌアと春野菜のミネストローネ 体が喜ぶ22時スープ(2)

村山彩

手軽に栄養素が摂れるキヌア

【村山彩】

 これを食べれば体が強くなる、といったオールマイティなものは存在しませんが、1つの食材にさまざまな栄養素が含まれているものはあります。キヌアは「スーパーフード」とも言われ、栄養価に優れていますので、夜遅く帰ってきた時などに利用すると、少ない食材でたくさんの栄養素が摂れるので便利です。

 キヌアは南米産のユリ科の食材で、耳慣れない方もいらっしゃると思いますが、最近ではスーパーなどでも多く見かけるようになりました。宇宙食としても、その栄養価が評価を得ているそうです。プチプチした食感が楽しく、味はほかの食材の邪魔をしないので使いやすいですね。

 今回は、三大栄養素「炭水化物(糖質、食物繊維)」「タンパク質」「脂質」を、お肉やお魚を使わずに、キヌアから摂取しています。キヌアは白米と比べ、タンパク質が約2倍。食物繊維やカリウム、カルシウム、マグネシウムといったミネラル類もしっかりと入っており、まさにスーパーフードですね。また、低GI値(ブドウ糖を100とした場合の血糖上昇率)ですので、夜に食べるのにも適しています。

 雑穀もキヌアほど栄養価は高くありませんが、同じような働きをしますので、キヌアが手に入らない場合は代用してもいいですね。また、キヌアはゆでるのに15分ほどかかりますので、私は一気にゆでて常備しています。サラダに入れたり、納豆に混ぜたり、いろいろな料理に使えますよ。

解毒作用のある春野菜

 髪や筋肉、血を作る元となるタンパク質は重要な栄養素ですので、今回はキヌアに加え、植物性のタンパク質が含まれている旬のグリーンピースも加えました。グリーンピースの代わりに、旬のそら豆、インゲンを使用してもいいと思います。

 手に入れやすい春野菜からはビタミン、ミネラルが摂取できます。私たちの体は冬の間、不要なものも含めてさまざまなものを溜め込んでいます。春になるとそれを排出するわけですが、春野菜は解毒成分を含んでおり、不要なものの排出を助けてくれます。

 春野菜は苦味成分(解毒成分)に加え、抗酸化作用もあり、ビタミンA、C、Eも豊富です。特にビタミンCは水溶性でゆでたりすると流出してしまうのですが、スープにするとしっかりと栄養も摂れます。

 せり、ふきのとう、タラの芽、ウド、セリといった春野菜にもデトックス効果がありますので、ほかのメニューでも旬の野菜を楽しんでみてください。

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著者プロフィール

食欲コンサルタント、日本初のアスリートフードマイスター、野菜ソムリエ。2012年7月、館山トライアスロン総合優勝。2014年 ironman 70.3 台湾エイジ優勝 。現役トライアスリートとしての知識と経験を生かし、プロアスリートやアマチュアランナーへ食事指導と運動指導を行っている。そのほか、テレビ、雑誌、ラジオ、イベントを通じてランニングと食事についての幅広い活動を行う。13年12月に『あなたは半年前に食べたものでできている』、15年2月に『あなたは半年前に食べたものでできている 実践編』(ともにサンマーク出版)を上梓

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