人生を豊かにする食だからバランスが大切 実践編「食欲コントロールバイブル」
【中原義史】
新刊は「食欲コントロールバイブル」
『あなたは半年前に食べたものでできている 実践編』より(写真:邑口京一郎) 【邑口京一郎】
このたび、村山さんは「食欲コントロールバイブル」というサブタイトルを冠した『あなたは半年前に食べたものでできている 実践編』を出版。新刊では、正しい食事法から誰でも続けられる運動法、食欲を乱さないためのコツ、食べ過ぎてしまった時の対処法、正しい食事のレシピなど、「食欲コントロールメソッド」がより具体的に説明されている。「実践編」を作ろうと思ったきっかけは、読者からの声だったという。
「1冊目を出した時に、読者ハガキなどの反響が大きくて、具体的な質問や悩みが多く寄せられたんですね。例えば、私は運動としてランニングを薦めていますが、『ひざが痛い人や、体調不良で走れない人はどうすればいいの?』とか、食事にしても『ちゃんとした方がいいのは分かっているけど、とはいえ……』といった声がありました。その気持ちはよく分かりますし、私自身、すごいことをやっているわけではないという意識が根底にあるので、もう少し実践寄りの内容をお伝えできるなって思ったんです」
食に関して人は受動になりがち
『あなたは半年前に食べたものでできている 実践編』より(写真:邑口京一郎) 【邑口京一郎】
「私ももともとは、まったく運動もせず、ひどい食生活で体を壊した経験があるので、『村山さんだからできるんだよね』『意志の強い人はできるかもしれないけど……』と思ってあきらめてほしくなかったんです。1冊目を出した後、食欲をコントロールする上で、人はどこでつまずくことが多いのか注視していました。
そうすると、人によっていろいろなパターンはあるんですけど、つまずくところは同じで、男性も女性もどんな職業でも、共通点が多かったんです。時間的にできないこともありますが、心のハードルが邪魔をしていることも多くて、“意識改革”こそが重要だということも分かりました」
多くの人が共通してぶつかる壁には、食事についての勘違いが多かったそうだ。
「例えば、加工食品を避けて、バランスのいい食事を心掛けるのがいいとお伝えしても、食べていいものと、避けたほうがいいものを理解していないことがありました。特に男性は、疲れると眠気覚ましにエナジードリンクやサプリメントなどを摂る人も多いのですが、体を動かしてくれるということは、逆から見れば体に無理をさせているということ。加工食品の場合、それが何からできているかを知ることが必要です。ですから、食べ物の栄養成分表を見ることから始めてもらうようにしています。
外食するにしても、出てきた量をそのまま食べてしまいがちですけど、外食はすべての人に同じものを出しているのですから、その人にとって適量かどうかを考える必要があるわけです。食に関しては、人は受動になりがちだなと思います」