W杯2次予選、E組に入った日本の展望 日程と対戦国は「悪くない」組み合わせ
予選の仕組みと概要
W杯2次予選でE組に入った日本。シリア、アフガニスタン、シンガポール、カンボジアと対戦する 【写真:長田洋平/アフロスポーツ】
ヴァイッド・ハリルホジッチ監督は「良いグループに入ったと思う」というコメントを残しているが、この指揮官はどんな厳しい組み合わせになっても同じ言葉を発したに違いないので額面通りに受け取るべきではないだろう。それは続けて「対戦相手についてはまだ詳しくは分かりません」と語ったことからも分かる。
組み合わせについての具体的な話に入る前に、まずは今予選の仕組みについて簡単に説明しておきたい(なにせアジアの仕組みは猫の目のように変わるので)。18年のW杯ロシア大会予選にアジアから参加したのは46の国と地域。まずはFIFAランク下位の12チームが「ワン・オン・ワン」での1次予選を実施。ここで勝利した6チームに、シードされていた34チームを加えた40チームで2次予選が行われる。日本はシード組なので、他の多くのアジア諸国同様にここからのスタートだ。
2次予選は40チームを5チームずつ8つのグループに分割。ホーム&アウェー方式の総当たり戦を行う。奇数チームのため、全10節で8試合(試合のない節が2つある)となる。各グループの成績上位1チーム(計8チーム)に、2位になった8チーム中の成績上位4チームの計12チームが3次予選(=最終予選)へ進出となる。なお今回からアジアカップ予選も兼ねることとなっており、この時点でアジアカップ2019への出場が確定する。
3次予選は勝ち抜いた12チームを6チームずつ2つのグループに分けて、やはりホーム&アウェー方式の総当たり戦(10節10試合)を戦って、出場権を争うこととなる。つまりW杯に行きたければ、ここから計18試合を戦い抜かなければならないということ。15年6月に始まり、17年9月まで続く長丁場の耐久戦。各国サッカー界の「基礎体力」を問われる戦いだと言えるだろう。
第1シード国ゆえのメリット
第1シードの日本は6月11日の試合はなし。16日のシンガポール戦が初戦となる 【写真:アフロ】
今回の予選でその第1シード(第1ポット)に入ったのは日本のほか、UAE、オーストラリア、中国、イラン、イラク、韓国、ウズベキスタンの計8カ国。カタールに加えて伝統国のサウジアラビアもシード漏れしていたわけだが、何よりタフなアウェーマッチが予想される北朝鮮を避けられたことは大きい。気候的に消耗度が大きい東南アジア勢の中でも力のある国との対戦は避けられた。組み合わせの全体観としては「悪くない」と言っていいだろう。