機能性がアップしたベストセラー第3弾 南井正弘のイチオシ!

南井正弘

素足に近い感覚で走ることができる

アッパーサイド部分はフライワイヤーを配することで、適度なサイドサポートをランナーに与えてくれる 【南井正弘】

 実際に足を入れてみると、第二弾モデルよりもゆとりのあるフィッティングで、どちらかいうと第一弾に近い履き心地。つま先部分の体積も増えている気がする。「ナイキ フライニット ルナ2」がサイド部分のサポートを強調していたのに対し、このモデルは自然な感じで足を包んでくれる。

 しかしながら、履き口部分は高いフィット感を確保しているので、走行中に踵が浮くというようなこともないだろう。走り始めるとミッドソールとアウトソールを基本的に継承しているので、着地から蹴り出しまでの感覚は前作とほぼ同じだが、アッパーのフィット感はこちらの方が締め付けられる感じがないので、素足に近い感覚で走ることができた。
 初めはkm/5分50秒ほどのペースで走ったが、昨年の名古屋シティマラソンのハーフマラソンを「ナイキ フライニット ルナ2」を履いて1時間39分55秒でゴールしているように、このシューズが持つポテンシャルはもっと高い。km/4分40秒で走ってもスピードにグングン乗ることができ、快適に走ることができた。

 テストした際に気温が高い日もあったが、フライニットのアッパーは通気性も高く、6km程度のランではシューズ内部が不快になることもなく、インソール(中敷き)の表面はほとんど湿っていなかった。

足圧分布を反映させた前足部のアウトソールパターンは、着地から蹴り出しまでのスムーズな動きを促進 【南井正弘】

「ナイキ フライニット ルナ3」は、ペースでいえばkm/6分程度からkm/4分30秒くらいの幅広いレベルのランナーに対応し、前2モデルと同様にスタイリッシュなアッパーデザインとカラーリングを採用しているので、ランニングの時だけでなく、オフシーンにカッコよく履きこなすこともできそうだ。

 それゆえに、ランニングシューズの買い替えや買い増しの対象としてはもちろんのこと、「ランニングシーンからカジュアルシーンまで対応する1足を探している」というこれからランニングを始めようとしているビギナーにも最適となっている。

 このようにあらゆるタイプのランナーに対応し、汎用性も高い「ナイキ フライニット ルナ3」だが、オーバープロネーション(着地時に脚が過度に内側に倒れこみ、ケガの原因となる)に対応するサポート機能が装備されていないのと、どちらかいうと体重の軽めの人に向くスペックなので、その点には留意する必要がある。

ナイキ フライニットルナ3

\16,200(税抜)。男性用・女性用ともに、カラーは5色展開。
お問い合わせ:ナイキ コンシューマーサービス 0120-6453-77

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著者プロフィール

フリージャーナリスト。1966年愛知県西尾市生まれ。スポーツブランドのプロダクト担当として10年勤務後、ライターに転身。スポーツシューズ、スポーツアパレル、ドレスシューズを得意分野とし、『フイナム』『日経トレンディネット』『グッズプレス』『モノマガジン』をはじめとしたウェブ媒体、雑誌で執筆活動を行う。ほぼ毎日のランニングを欠かさず、ランニングギアに特化したムック『Runners Pulse』の編集長も務める

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