ドバイWCダート変更は有利か、不利か――エピファネイアが秘める馬場適性

JRA-VAN

今年からAW→ダートに変更

今年からダートに変更となったドバイWCに挑むエピファネイア、秘める可能性は無限大だ 【Photo by Kazuhiro Kuramoto】

 ヴィクトワールピサのドバイWC制覇という歴史的快挙から早4年。その後、ドバイWCでの日本馬の活躍は残念ながら見られていない。毎年、どうすれば再び日本馬の飛躍が見られるのかと言う議論が飛び交っているが、今年は馬場に対しての適応能力が例年以上に重要視されそうだ。それは今年からレースに使用するコースがAW(タペタ)からダートに変更されたからである。

 元々、タペタとはAW(オールウェザー)の一種で、砂にゴム片やフエルト、ポリエステルなどの素材を混入して作られた全天候型の人工馬場。これによって馬の脚にかかる負担も軽減され、競走馬の故障を抑制させる効果がある半面、従来のダートとは異なり、クッション性も高く、パワー重視のダート馬にとっては走りにくい面もあった。これはダート大国のアメリカ勢(ダートで施行されていた第1回〜14回まででアメリカ勢は8勝を挙げている)を苦しめ、出走を辞退するアメリカ馬が続出する大きな要因となってしまった。

ホッコータルマエは走りやすいはず

日本のダート王ホッコータルマエにとって馬場変更はプラス材料となるはず 【Photo by Kazuhiro Kuramoto】

 しかし、タペタの維持費や管理上の問題、上記でも述べたアメリカ勢の度重なる辞退などによって今年からは従来、ナドアルシバ競馬場(第1回〜14回までの開催競馬場)で使われていたダートに戻すことへ。こうなると新たなダートへの対応力が重視されるのは当然のこと。以前のドバイではアメリカと同じタイプの土の塊を砕いたようなダート(日本では主に海砂を使用したサラサラの砂)を使用。そこに油や水を混入させることから弾力性が生まれて脚抜きも良くなる。日本のように重く、脚抜きの悪い力のいるダートを得意とする馬には厳しく、ダートでもスピードを出せるタイプの馬の方が結果を残してきた。分かりやすく言えば、ある程度、芝適性のあるダート馬が有利と言うことだ。

 これによって今年からは、アメリカからも現役最強クラスである2014年の北米年度代表馬・カリフォルニアクローム等が参戦を表明。昨年の覇者である地元・UAEのアフリカンストーリーと相対する図式となった。その中に日本馬が割って入ることができるのかということになるが、決して不可能ではない。2年連続でのドバイWC挑戦となるホッコータルマエにとってはタペタよりもダートの方が走りやすいはず。6歳になって安定感も出て来たことから昨年以上の結果を期待できる。

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