ハリルホジッチ「方向性をお見せしたい」=チュニジア戦、ウズベク戦メンバー発表

スポーツナビ

「状態を見てベストの選手を呼んでいきたい」

ハリルホジッチ監督は、スクリーンに名前を表示させながら、メンバーを発表した 【スポーツナビ】

ハリルホジッチ それから手倉森(誠)コーチ(U−22日本代表監督と兼任)ともディスカッションをし、良い選手がいると私に教えてくれた。私が期待したいのは、各ポジションで競争があることだ。私のやり方では、前もって決まったベストメンバーはいない。時期によって調子もあるし、パフォーマンスが変わるので、その状態を見てベストパフォーマンスの選手を呼んで行きたいと思っている。そして私は、できるだけたくさんの試合を見て、できるだけ多くの選手をこれから呼んでいきたいと思う。

 それから、日本代表に長く貢献してきた遠藤だが、日本のレベルをかなり高くまで上げてくれたと思う。だが、彼はこのリストには入っていない。皆さんご存じのように、私はロシアW杯のために準備をしている。私は前にいた選手も踏まえて、リストを作っている。ただ、ここ数年、本当に日本代表のために貢献してくれた彼のことを忘れてはいけない。日本代表に貢献してくれた彼に対して、敬意を表するとここに付け加えたい。

 これが私の最初のリストになる。もう一度言うが、このリストを作るのは本当に簡単ではなかった。まだ十分に各選手のことを知っているわけではない。ただ、6月の合宿に向けては、もっと知識があると思う。私は今いるスタッフと、私のやる気をすべて最初の合宿に注いで、勝利に導きたいと思う。皆さんに私たちのやる気を見せたいと思う。2018年のロシア(W杯)に向けて、これが私たちの道だというものを見せたいと思っている。

――今回はU−22日本代表の活動期間と重なっているが、今後U−22のチームから新しい選手を入れ、世代交代を図っていく考えはあるのか? また、今後も同じような規模の人数を選び続けていくのか?

ハリルホジッチ 日本代表に呼ぶ選手は、いつもその時点でベストなパフォーマンスを見せている選手だ。もし五輪代表の中で良い選手がいれば、問題なく呼びたいと思っている。今はまだ呼んでいない。ほとんど見ていないし、そこまでの知識を私は持っていないからだ。ただ、手倉森コーチとのコミュニケーションで、何人かの選手が本当に良い選手だということは聞いた。私は注意深く五輪代表を見守っていきたい。もし彼らの中で代表に入ってくる(レベルの)選手がいたら、私は問題なく受け入れたいと思っている。

 次の6月に向けた合宿だが、もちろん20人プラスGKは3〜4人必要だ。多くの選手を呼びたいと思っているが、けが人が出たら替えなければならないということも出てくる。ただ、6月の試合に関してはW杯の予選なので、前もって準備をして臨みたい。もう一度繰り返すが日本代表は全員に開かれている。その時点でベストなパフォーマンスを見せた人を選びたいと思っている。例えば、大久保(嘉人)はここ2年リーグで得点王を取っているが、ある試合で彼が必要ならもちろん呼ぶ。他の可能性がある選手も見ていきたいと思っている。

アイデンティティーを見つけていきたい

――メンバーを選ぶ際に重視した基準は何か? フォーメーションについてはどのように考えているのか?

ハリルホジッチ 皆さんに伝えたいのは日本代表の選手を選ぶということについて、人間性もスポーツ面もレベルが高い選手であるということだ。日本国民の代表として戦うということは誇り高く、素晴らしいことだ。日本代表の一員としてプレーするために、素晴らしい人間性と素晴らしい行動を伴った人物でないとここには呼ぶことができない。それから良いプレーヤーであるということだ。

 ある試合を見た。われわれのスタッフは誰も教えてくれなかったのだが、ある選手に目がいった。これは将来に向けて良いかなと思った選手で、今すぐこの日本代表のベストメンバーとして入ることはできないけれども、次の試合に向けて注意深く見ていきたいと思っている。もし彼が素晴らしい態度、プレーを続けるのであれば、次に呼んでみたいと思う選手がいる。

 日本代表には世界で知られているような(リオネル・)メッシや(ズラタン・)イブラヒモビッチのような世界的な選手はいない。可能性を持った選手はいるが、われわれの大きな特徴はコレクティブだと思っている。そしてそれはチーム、グループということだ。われわれのトレーニングではこういったものをやっていきたい。そして、サムライブルーは本当に高いレベルに行くと思っている。次の機会に向けて、またいろんなところに出かけてより良いグループを作りたいと思っている。グラウンド上ではわれわれのアイデンティティーを見つけていきたいと思っている。そのためにも、いろんなメッセージを送らなければならないし、たくさんのトレーニングをしなければならない。今までいろんな情報を受け取ってきたが、私の目的に対しては楽観的に考えている。そして時間が必要だ。日本代表についても、われわれが出す結果についてもどんどん向上していければと思っている。

 システムのことだが、先ほども言ったとおり毎試合準備をする。例えば世界で一番強いチーム、もしくは一番弱いチームと対戦するかもしれない。それでも勝つための準備をする。負けるための準備はしない。もしそうであれば私はここを辞める。強いチームに勝つということは難しいことだが不可能ではない。強いチームと対戦したときにも、私たちは勝つんだという気持ちをチームに植え付けていきたい。少なくともトライしようと言いたい。

永井は背後へのスピードをもたらせる

――永井と宇佐美について選出理由は? 遠藤はパフォーマンスがベストでも招集されないのか?

ハリルホジッチ 皆さんに見せたリストは確かに若い選手が多い。例えば、ものすごく大事な試合で遠藤が必要なときがあれば、遠藤を呼ぶということも考えている。遠藤は多くの経験を持っている。彼の仲間に対する信頼が強いことも知っている。彼は自分の役割を知っている。ただ、より若い選手を今回選んだ。遠藤をどうするかというのはこれから見ていきたいと思う。

 昨日の夜、永井を見た。スピードに関しては素晴らしいものを持っている。現代フットボールに必要なものを持っていると感じた。非常に重要なクオリティーを持っている。今のサムライブルーに少し足りない背後へのスピードをもたらせるのではないかと思っている。それから彼がプレーすることでよりプレースピードが速くなるだろうし、背後をつくシチュエーションが出てくると思っている。背後にたくさんボールを要求することによって、どんどん得点の可能性が出てくると思っている。もちろん彼もまだまだ向上させなければならないことがあるのも分かっている。ただこの選手は本当に興味深いし、面白い選手だ。彼といろんな話をして、たくさんトレーニングしたいと思っている。

――キャプテンは誰になるのか、またキャプテンに期待することは? バックアップメンバーを選出した意図は何なのか?(原田公樹/フリーランス)

ハリルホジッチ キャプテンはすごく大事で、バックアップメンバーも大事だ。まずはグループと話をしたいと思う。そしていくつか提案をしていきたい。キャプテンはものすごく大事な役割を持っている。特に最初の時期は非常に重要だ。何試合か過ごして、私が誰がキャプテンとしてふさわしいかを判断したい。キャプテンはひとつの模範だ。良い行動、良いトレーニングをしてもらわなければ困る。仲間と団結心を持っていなければならないし、グラウンド内外でグループが困難な状況に陥ったときに助けることができる人物が必要だ。グループの中にはリーダーが何人か必要だ。そういった人たちがグループを成功に導くことを期待している。そういったことをトレーニング、合宿で見ていけたらと思っている。そして私たちには大きなプロジェクトがある。向上することが必要だ。私の期待とトレーニングを彼らがどう受け取るのかを見ていきたい。すべてうまくいくと私は確信している。良いメンタリティーと良いグループがあると知っているし、勝ちたいというグループにしていきたい。何かを成し遂げたいと思っている。それが私の期待するグループだ。

 なぜバックアップメンバーを選んだのかということについてだが、まずグループは大きいのだというメッセージだ。国内や海外を含め、いろんな選手に可能性があると思っている。海外の選手には4〜5日前には招集レターを出さなければならない。バーゼルの柿谷もそうだが、呼ぶように準備をしている。このリストに入っていない選手もいるが、これは準備をしておいてくれというメッセージだ。いろんな選手がいるが、皆さんの前で発表した選手たちにはモチベーション、準備、競争が始まるということを心得ておいてほしい。良いプレーをしていれば選ぶ。スター選手でもすぐに取って代わるような選手を期待しているし、そうなっても私にとっては全然問題ない。一番の勝利はグループで勝つことだ。

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