宮本慎也氏と伝えた日本野球 元ロッテ・清水直行、NZでの挑戦(2)
念願だった野球教室を開催
さかのぼること、14年3月。元日本代表キャプテンである元東京ヤクルトスワローズの宮本慎也さんを訪ねた。約11年前のアテネ五輪でともに野球代表に選出された時から親しくさせていただいている。もう10年以上だ。現役時代も野球のプレーや戦術面だけでなく、選手会のことなど、さまざまなことで相談にのっていただいたこともある。
「オークランドで野球教室を」と考えた時、真っ先に頭に浮かんだのが慎也さんだった。現役時代に何度もゴールデングラブを獲得し、守備技術では言わずと知れた日本トップ選手だった。そんな選手から指導を受けられれば、どんなに素晴らしいか。自分の思いを慎也さんに伝えると、講演活動などで忙しいにもかかわらず、すぐにスケジュールをおさえる準備をしてくれた。
実は、この野球教室の開催には、たくさんの現地に住む日本人の皆さんの協力があった。私がツテもなくニュージーランドに踏み込んだ昨年以降、新しく出会った人たちだ。地道にかつ少しずつ広げていった交流の輪。親切にしてくれる皆さんは、現地でかけがえのない財産だ。私がこうして野球振興の活動ができているのは、そんな方々が近くにいてくれているおかげでもある。
そんな有志の皆さんと意見交換し、新たに発足させた組織が「野球サポーターズクラブ」だ。このクラブを通じて日本から選手やOBを招いて年に1回のペースで野球教室を開催することになった。記念すべき最初の”先生”が慎也さんだった。
宮本氏のフィールディングに大歓声
そして何より、一番の盛り上がりは慎也さんのフィールディングだった。子供たちもそうだが、野球ファンでもあるギャラリーからも大きな歓声があがった。最後に子供たちに「道具の大切さ」を説き、約3時間の野球教室は大成功で幕を閉じた。
※ニュージーランドの野球事情と日本の役割を、元ロッテのエース・清水直行氏による手記から考えるシリーズ企画です。
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