bjリーグが川淵チェアマンと緊急会談 中野社長「24チームを脱落させない」

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中野「(大多数は)夢のある話だと言っている」

真剣な面持ちで川淵チェアマンと意見を交えた河内コミッショナー 【スポーツナビ】

――ちなみに不安だと言っているチームはどれくらいあるのか?

中野 3、4チームです。不安だと言っているのは実は黒字化しているチームなんです。意外なんですよ。なんとか地方でコツコツやって、県民に愛されるチームができた。それなのに今度の目標があまりにも高すぎて、地方でお金が集められるかを不安に思っています。あとは本当は不安なんだけれど、やめるわけにはいかないと。大きく分けて2種類の不安があります。

 僕はエクスパンションで全国を回っていると、たいていのチームの代表者は、参入するときに形式が魅力だと言います。全国で何位にいるというのが目標に掲げられるというのはエクスパンションの魅力だったと言う人が非常に多いんです。それが下(のディビジョン)に落ちてしまうことによって、トップリーグに参戦していないということが不安に思ってしまうんじゃないかと思います。

 川淵さんのおっしゃっていることは「非常に夢があっていい」という人が多いんです。そこに向かうためには時間が必要だとか、時間軸もすぐにやったほうがいいという意見が強いので、そこに「自分たちの地域が付いていけるのか?」という不安もあるのかなと思います。

――もう無理だと言っているチームもあるという話だが?

中野 はい、最初は無理だと言っていたんですよ。私も何度もそちらに出向いてお話をしました。皆さんもご存じだと思いますが、大分(ヒートデビルズ)とか。私も大分に行きまして、ひざを交えて話しました。確かにお客さんの数が少ないんですよね。その辺をお互いにもう1度アイデアを出して、ここ(bjリーグ)で10年もやっているチームなので。今日、われわれが川淵さんに会うということは全チームに伝えていますので、今日の話を聞いて、皆さん(各チームの代表者)がどう思うかですね。

――大多数のチームは、条件にもよるだろうが、新リーグのほうに行きたいと言っているのか?

中野 はい。非常に夢のある話だと言っているのは事実なんですよ。今回のことを全否定しているわけではなく、なんとか這い上がっていきたいと思っている。ただ現実を見たときに具体的な数字が示されていないし、ストーリーもないので、そこが見えてくるとだいぶ変わってくると思います。

河内「良い方向に行くように努力は惜しまない」

――今も無理だと言っているのは大分だけだと思うが、当初はどれくらいあったのか?

中野 当初は3チームくらいありました。そのうちの1つが大分でもあったんですけれど。もう2チームは黒字のチームなんですよね。それも大きな黒字ではないです。売上も決して大きくない。チームも弱くない。bjリーグのサラリーキャップ制に守られている部分があったので、サラリーキャップが無くなると「うちのチームはもう戦っていけないな」という不安が生まれたのではないでしょうか。特にそういうチームの社長さんはバスケットボールの経験が無い人だったりするんです。

――5000人規模のアリーナ確保と2部、3部ができることが主な不安材料なのか?

中野 2部、3部でも稼げるんだというストーリーが分かれば、その不安は取り除けるのかなと思います。

――bjリーグ側として、新リーグが階層構造になることに反対していくつもりなのか?

河内 それは分からないですね。反対するかもしれないし、賛成するかもしれない。内容によりますね。このチャンスを逃したらあとまた何年後になってしまうかもしれないので、良い方向に行くように協力していく努力は惜しみません。

――bjリーグ側として不安に思っているチームに対して、具体的にどういうフォローをしていこうとしているのか?

中野 僕はどちらかというと経営面のお手伝いをさせていただいているのですが、特に今まで体験して感じたのは、首都圏のチームのほうが苦しくて、娯楽の少ない地方のほうが成功していることが多いんです。首都圏のチームがどう感じているのか。東京(サンレーヴス)、横浜(ビー・コルセアーズ)、埼玉(ブロンコス)のチームがあるのですが、これらをどう救っていくか。逆にチャンスなのかなという気持ちもなくはないです。首都圏のほうは魅力があれば(お客さんが)来てくれる。これまではわれわれの力不足でその魅力がなかったので集まりにくかったのはあるかもしれませんが、首都圏のチームにはそういう期待感はあります。

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