bjリーグが川淵チェアマンと緊急会談 中野社長「24チームを脱落させない」

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河内「チームの代表が心配している」

川淵チェアマン(中央)との会談に取締役4名で臨んだbjリーグ 【スポーツナビ】

――意見交換では具体的にどんな話をしたのか?

河内 先ほど中野が言ったように、24チームが3つのグループに分かれていますので、その中で一番心配している球団についてです。また、自分たちがトップのカテゴリーに入るのかを懸念している球団についても話しました。まだ参戦基準ができていないけれども、まずはみんなでスタートしていくのが統一リーグに向けて一番大切なことだと思うし、それをやらなければ統一する意味がないと川淵さんもおっしゃっていました。「チームの代表が心配していることについては聞いてもらえました」と、今日の会談内容についてはチームの代表者に伝えられると思います。これからいろんなものを一緒に考えながら作っていきましょうということで、最後は終わりました。

――川淵チェアマンに意見を聞いてもらった感触は?

河内 まず意欲がある球団に対しては、スタートラインに上がるべきだというところです。また、代表の方で厳しいと考えている人がいれば、それはそれなりに考え方を示して、スタートラインには24チームに立ってもらいたい。その後、いろんな仕組みを作っていきながら、全部のチームが一緒になっていくのか階層になっていくのかというのは今後相談しながらやっていくのだと思います。

――五輪予選まで時間がない中でここまでの手応えや自信は?

河内 おそらく相当高い確率で良い方向に行くのではないかと思います。行くのではないかというよりも、行かなければならないと改めて感じました。

――中野社長に質問。初めて川淵チェアマンに会った印象は?

中野 初めてというよりも、1997年に「スポーツで幸せなまちづくり実行委員会」(編注:新潟県にある複数の競技のプロスポーツクラブをまちづくりに役立たせるための組織)のアドバイザーが川淵さんで、川淵さんからアドバイスをいただいたことをほぼそのまま新潟でやってきました。そして現在リーグでやっているというのが実情です。スポーツの力で街を元気にするということについてを私はずっとやってきましたので、川淵さんと久しぶりに会って話をしたところ思い出してくださってうれしかったです。私たちは次の世代の子どもたちや若者のために、会場を満員にするとどんな演出よりも選手たちが頑張れる環境になるということを新潟時代から目の当たりにしてきました。沖縄(琉球ゴールデンキングス)や秋田(ノーザンハピネッツ)といった観客の入っているところでは、目に見えないもので若者が力を発揮することを教えてもらいました。これをなんとか統一リーグのときに、「私たちの積み重ねてきた10年を役に立てることができるよう頑張ります」ということを川淵さんにお伝えしました。この力で日本のバスケットを盛り上げていきたいと思います。

中野「とにかく頑張れと叱咤激励をされている」

新潟アルビレックスBBの社長時代から川淵チェアマンとは親交があった中野社長は、身振り手振りを交えながら笑顔で言葉を交わしていた 【スポーツナビ】

――川淵さんはメディアの前でチーム数も明言している。「それをのめないのであれば降りてもらっても構わない」とまで言っている。それを踏まえ、「切り捨てない」という言葉の意味の認識として、とりあえずは横一線でスタートし、そのあとのことは流れを見るけれど、少なくとも24チームが同じレベルで始められるようにというのが希望なのか?

河内 bjリーグの希望というよりも、まず24チームがつぶれない(ようにしたい)ということを強く言いましたね。

中野 1つ補足しますと、bjリーグだけではなくNBLの企業チームもありますから、それを合わせるととてつもない数になります。それが本当に横一線で魅力あるリーグになるのか川淵さんは懸念しています。

 私たちがbjリーグを立ち上げたときは47都道府県にチームを作るんだという意識でやっていました。実際に自分も経営に関わると、各チーム間で差が出てくる。10年たってみていろいろ勉強になりました。おそらく川淵さんはそんな先の話ではなく、「まずスタートするんだ」ということをおっしゃっています。それはある意味正解かもしれないですが、いかにして経営で苦しんでいるところを救うアイデアと言いますか、そこが一番僕は気になっています。階層制がいいのか、横一線がいいのかということについては確定していませんでした。

 それと先ほどおっしゃったように、(川淵チェアマンの)「付いてこられないんだったらやめてもいいんだ」というのが(各チームの代表には)衝撃的だったんです。今日確認したところ、そうではないんだということを明言してくれたのはありがたかったです。

 とにかく頑張れと叱咤激励をされているんだなと感じました。

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