障がい者スポーツを身近にする日本開催 クロカンW杯開催の旭川に見たその意義
アジア初のW杯開催
アジアで初となったクロスカントリーW杯には地元・旭川の小学生が各国の国旗を振って大会を盛り上げた 【吉村もと/MA SPORTS】
障がい者スキー・クロスカントリーの世界
(映像提供:MA SPORTS)
手応えと課題を得た地元開催
レース後、カナダチームのコーチと意見交換を交わしていた新田(右)。バンクーバーパラリンピックメダリストにとって初の日本開催は悔しい大会になったようだ 【吉村もと/MA SPORTS】
旭川は毎回、パラリンピック前の最終調整を行う特別な地でもある。「負けられない場所だった」と唇をかんだが、最後は「冬のパラスポーツは旭川から発信したい。ここから、もう一度パラリンピックのメダルを目指す」と誓った。
一方の女子立位は、今季好調の阿部が、得意のスプリントなどで連日の表彰台。ソチパラリンピック後にトリノ&バンクーバーパラリンピックのメダリスト、太田渉子氏が引退し、女子のエースと期待される存在だ。
「ソチでパラリンピックの大きな舞台を経験したので、緊張はもうない。十分に練習ができていないけれど、1年前のビデオと見比べると技術面で少し成長できたかな」とは本人談。出場選手が4人と少ないカテゴリーながら、自身初となるワールドカップのメダルを手にし、手応えを得たようだ。
それでも、3年後に迫る18年平昌パラリンピックへの道は険しい。日本代表チームの荒井秀樹監督は「日本で開催したから、14歳の星澤克、13歳の川除大輝(ともにオープン参加)が初めて国際大会を経験できた。それはうれしい話だけれど、シット(座位)とブラインド(視覚障害)のカテゴリーについては選手がおらず、再構築しなければならない」と長年の課題である選手発掘について言及した。