青木宣親、新天地の役割は不透明なまま けがなくチームに貢献できるかがカギ
意見分かれる青木の起用法
今回は青木の起用方法を考えてみたいと思う。ジャイアンツの今季の守備を考えてみると、ライトのハンター・ペンス、センターの「切り込み隊長」アンヘル・パガンの2人はほぼ確定だろう。青木はレギュラーが確約されていないレフトを守ることになる。昨シーズン、ジャイアンツのレフトは安定せず、多くの選手が守った。多くの記者は、グレゴー・ブランコの方が守備力は上と見ているが、開幕戦でレフトを守るのは青木ではないか、と予想している。打順に関しては、出塁率と足を生かすなら上位、逆に得点圏打率を考えると中軸を返せる下位と、さらに意見が分かれている。
2012年にワールドチャンピオンに輝いた時には、リードオフマンとして大車輪の活躍をしたパガンだが、ここ2年は腰や背中のけがで長期離脱することが多かった。昨年9月に椎間板ヘルニアの手術を受け、10月にクラブハウスで会った時には「来季開幕までには十分に間に合うよ」と話していたが、万全な状態になっているかは球団も懸念しているところだ。
パガンの状態次第では違うプランも考えなくてはならず、センターも守れて1番も打てる青木はそれに備えられる。つまり、他の選手の状態などチーム状況によって、青木は守備位置も打順も変わるだろうという見方が現段階では強い。
番記者の評価は?
長年ジャイアンツの番記者で『サンフランシスコ・クロニクル』紙のヘンリー・シェルマン記者は、青木をスピードがあり巧みなバットコントロールを持つ選手と紹介し、「青木は今まで1番を打ってきたが、ブルース・ボウチー監督はアンヘル(パガン)を先頭打者にする方針を変えていない。しかしながらアンヘルが長期離脱をすることになった場合に1番も打てるし、とても良い保険になる」と伝えている。
あらためて青木について尋ねると「外野を全て守ることができる。そのため、他の選手を休ませることもできる。打順は7番か8番もしくは2番。三振が少なく左投手に強いというのも評価されたのでは」。
実は青木がブリュワーズに所属していた12年5月、初めてこの球場に試合で来た時に、私はプレスボックスで隣の席に座って見ていたシェルマン記者に、青木のMLBでの可能性を聞いていた。
「足も速いし、小技も使える、十分やっていけると思う」
これが彼の答えだった。