【IGF】青木真也ぼう然…カシンに3カウント許す=猪木72歳の誕生日では“舌”好調

佐瀬順一

プロレスルール初挑戦の青木だったが…

プロレスルール初挑戦の青木真也だったが、“くせ者”カシンにプロレスの洗礼を浴びてフォール負け… 【中原義史】

 IGF『GENOME32』が20日、東京ドームシティホールで開催され、超満員札止めとなる3099人の観衆が駆け付けた。いまやすっかりIGFのレギュラーとなった総合格闘家の青木真也が第6試合で、ロープエスケープ&カウントが採用されるGENOMEルールの試合に初挑戦。しかも対戦相手は“くせ者”のケンドー・カシンという注目の一戦となった。

 青木は開始早々、カシンの得意技でもある飛び付き腕十字を連発。だが、ロープエスケープしたカシンは一旦場外に出て“間”を取る。この総合格闘技にはない試合運びに、青木はマットを叩いてカシンに戻って来いと挑発するが、カシンは場外から青木を引きずり出すと、鉄柵に叩き付けるという“プロレス流の洗礼”。

 だが、青木もリングに戻り握手を求めてくるカシンに対し、「俺だってできるんだ」とアピールするように肩に飛び乗ってから高角度前方回転エビ固めを披露。これにはさすがのカシンも面食らった様子だったが、青木の攻撃をレフェリーに誤爆させたカシン。青木は胴絞めスリーパーをガッチリ決めたが、レフェリー不在では試合は終わらない。

 仕方なくレフェリーを抱き起こしてからもう一度スリーパーを決めた青木だったが、カシンは青木の両腕を抱え込みながら後転。これで下になった青木の両肩がマットについてしまったため3カウントが叩かれてカシンの勝利。GENOMEデビュー戦で敗れた青木は、まるで狐につままれた表情だった。

猪木、ルスカ氏にはなむけの一言

72歳の誕生日を迎えた猪木。アントンジョークが“舌”好調で超満員のファンを喜ばせた 【中原義史】

 この日が72回目の誕生日のアントニオ猪木会長は黒いタキシード姿にトレードーマークの赤いマフラーを首にかけて登場。「元気ですかー! 元気があれば何でも出来る。元気があれば! 年を重ねることもできる」と挨拶した猪木は、この日のオープニングで追悼の10カウントゴングが鳴らされた故ウィリエム・ルスカ氏に触れると、いまから十何年か前にルスカをお見舞いに行ったらいなかった……「なんだ、留守か」とはなむけのアントンジョーク。

 バースデーケーキのローソクの炎を吹き消した猪木は、お馴染みの『道』の詩をご機嫌な様子で歌い上げると「ファンってありがたいんです。テレビで俺を見て白髪が見えたっていって白髪染めを送ってきてくれた。彼女はいるんですかって聞かれて、今いないんですって言ったらダッチワイフを送ってきやがった。バカヤロウ! いくぞ、1、2、3、ダー!」と“舌”好調で猪木劇場を締めくくった。

小川はミノワマン&澤田を返り討ち

小川はメインイベントで打倒・小川直也を掲げるミノワマン&澤田のタッグを返り討ち 【中原義史】

 メインイベントでは打倒・小川直也を掲げるミノワマンと澤田敦士がタッグを結成。小川がパートナーを直訴した王彬(ワン・ビン)とのタッグで迎え撃つ。小川に奇襲攻撃を仕掛けていった澤田とミノワマン。とくに澤田は蹴りからスリーパーを狙ったいくが、小川も強引にバックドロップで切り返す。

 タッチを受けた王彬が反撃しようとするが、澤田とミノワマンは初タッグとは思えないスムーズなタッチワークと合体攻撃で王彬を集中攻撃。澤田が小川を場外に連れ出している間に、リング上ではミノワマンがアンクルホールドで王彬を仕留めようとしたが、辛くも小川のカットが間に合う。

 小川に頬を叩かれて喝を入れられた王彬はどうにか反撃しようとするが、澤田はゴツゴツという鈍い音が響き渡るほどのヘッドバットを連打。さらにミノワマンとの合体攻撃を連発するが、ようやく王彬が反撃。どうにか澤田とミノワマンを分断し、ミノワマンを場外に連れ出すことに成功。

 すかさず小川がSTOからのSTOボンバーで澤田を仕留めようとしたが、倒されずに踏ん張った澤田はバックドロップで投げていくと、掟破りの逆STOボンバーを狙って走り込む。しかし小川も意地で澤田を受け止めると、強引にSTOで叩き付けてから胴絞めスリーパーホールドに捉えて辛くも勝利。

 試合後、納得がいかないミノワマンと澤田と小川と王彬に食ってかかるが、そこに登場した猪木会長は、愛弟子の小川と王彬に向かって「熱いなぁ。暮れにリングの上で“熱い”という字を書きましたけどね、これにはちょっとした意味があるので、もうしばらくすると分かってくるかもしれませんが、とにかく1回に人生ですから熱く熱く、燃えて燃えて面白くやってくださいね」と檄を飛ばした。
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