本田宗一郎が教えてくれた情熱 アロンソ、ホンダとの共闘を語る

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正しい決断、自分がいるべき場所にいる

5年間所属したフェラーリを離れ、今季からマクラーレン・ホンダに加入したことについて「正しい決断」と語った 【写真:マクラーレン】

――チームメイトのジェンソン・バトンとコンビを組むことをどうとらえていますか? 2人とも総合優勝の経験者です。

 とてもうれしく思います。ジェンソンと同じチームになって、2人を合わせるとおそらく50勝しているのではないかと思います(編注:実際には47勝。内訳はアロンソ32勝、バトン15勝)。F1における2人の13年、14年相当の経験が今後も生かせるのではないでしょうか。マシン、そしてチームはまだまだ開発すべき、学ぶべき点が多々あります。それだけに、ベテランドライバーがチームメイトであるということは大きな助けになります。学習のスピードアップに貢献し、準備をする上でも強い味方になると思っています。レースは雨が降ったり、さまざまな条件での展開が予想されます。そのときにチャンスをつかむという意味で、これまでの自分たちの経験を生かせればと。もし私が別のチームに所属していたとしたら、そうしたことから「マクラーレン・ホンダは怖い」と感じていたと思います。

――現実的に考えて、今シーズンの見通しとゴールは?

 まず、クルマのフルポテンシャルを試してからでないと、ハッキリしたことは言えません。どのくらい準備ができているのか、開幕戦(オーストラリアGP)のメルボルンでどのような成績が残せるかというのは、具体的な確認ができてからになると思います。われわれは1年遅れ、つまり他のチームは1年間の経験を積んでいるので、遅れを取っていることは事実です。実際にレースを行うことでいろいろな問題が出てくるというのはよくあることで、そういった意味で、他のチームが1年先を行っているということです。

 われわれがどこまで競争できるのかを見極めてから、目標を設定したいと思います。もちろん、いずれはチャンピオンを勝ち取りたいのですが、これが長期的な目標になるのか、短期的な目標になるのか、様子を見ていかないとハッキリしたことは言えません。当面は学習期間が必要になるでしょう。この期間がひと月、ふた月、半年になるのかは分かりません。ただ、なるべくこの期間を短くして、ジェンソンと力を発揮できればと思います。昨シーズン、(マクラーレンは)メルセデスのエンジンの経験を積みました。メルセデスが最も力があると言われる中での経験となりました。それと今回を比べながら、これからもっと頑張っていきたいです。われわれは良い結果を出せる材料を持っていると思います。

 フェラーリでの3年間、ドライバーズチャンピオンシップで2度2位に入り、残りの契約期間である2年間残留をしてもハッピーで楽であったかもしれません。しかし、私は2位に甘んじるつもりはありません。そうならないように、ここに来ました。私としては正しい決断をし、本来自分がいるべき場所にいると思っています。

――日本のファンにメッセージをお願いします。

 ファンの皆さんがわれわれを支えてくれることは必要だと思います。ファンの熱い思いがわれわれを勝たせてくれます。そして、われわれは1つのグループとして、エンジニアもメカニックもドライバーもファンも1つのチームとして、この情熱を持って今後取り組んでいくべきだと思います。ファンも含めて全員がファミリーで、欠かすことのできない存在です。われわれは100パーセント、成功のために努力していきます。そして、いつとは確約できませんが、必ず勝利します。

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