最新科学で細マッチョに<後編> 上達のコツ直伝!シリーズ 第13回

ACS編集部

POINT(2)軽い負荷のトレーニングでもゴリマッチョに

 軽い負荷によるトレーニングであれば、マッチョにならないと思っていませんか? 実は軽い負荷のトレーニングを実施しても、筋肉隆々のマッチョになるのです。

 筋肉を極限まで大きくさせるボディービルのトレーニングはまさにそれです。ものすごく重いもの使っているイメージがあるかもしれませんが、本当は軽い負荷のトレーニングを多く実施しているのです。

 このメカニズムはPOINT(1)でご紹介した「限界まで行わない」「速筋&遅筋」の関係と同じです。軽い負荷の筋力トレーニングだと、余裕をもってスピーディーにできるので、ついつい回数を増やしたり、限界までやってしまったりしがちですが、それを抑えて、限界まで追い込まないことが大切です。

POINT(3)有酸素運動の前に筋力トレーニングをやらない

【(c) Athlete Career Support】

 スポーツ界では、最近の研究結果などを参考に、最初に筋力トレーニングを実施し、その後に有酸素などの運動をすることが多くなっています。ところが、細マッチョを目指す場合は、有酸素運動の後に筋力トレーニングという順番が良いのです。
 先に有酸素運動を行うと、多くの遅筋が使われ、その部分が疲労します。その後の筋力トレーニングではすでに遅筋が疲労しているので、自然と限界までできなくなります。つまり、POINT(1)でお伝えした「筋力トレーニングは限界まで行わない」という状態になり、過剰な筋肥大を抑えられるのです。

 細マッチョになるためには、有酸素運動を先に行い、筋力トレーニングを後にやること、全体のトレーニング方法をしっかり考えながら実施することが大切です。

 後編では最新科学を使って効率的に細マッチョに近づくための筋力トレーニングに絞って、お伝えしました。普段何気なくやっていることでも、科学的な裏付けがあるとよりトレーニングに身が入りますし、目的によってトレーニングの方法がまったく違ってくることがお分かりいただけたと思います。

 早速、今から最新科学を使ったトレーニングを実施して、細マッチョを目指しましょう!

櫻井智野風プロフィール

神奈川県生まれ。1991年、横浜国立大学大学院教育学研究科保健体育学専攻修了。92年より東京都立大学理学部体育学教室助手、2006年より東京農業大学生物産業学部健康科学研究室准教授を経て、14年4月より桐蔭横浜大学スポーツ健康政策学部スポーツテクノロジー学科教授となる。『乳酸をどう活かすか』(杏林出版)、『ランニングのかがく』(秀和システム)など著書多数。日本陸上競技連盟普及育成部委員。日本陸上競技学会理事。日本トレーニング科学会理事等。

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著者プロフィール

元十種競技選手の奥山剛史が代表を務める、株式会社アスリート・キャリア・サポート。「スポーツはみんなを元気にする。」をコンセプトに、人とスポーツとの関わりをデザインし、躍動感あふれる社会をつくるためにさまざまなアイディアでスポーツを楽しみ愛する人を応援していきます

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