センバツ切符を決めたポイントは? 明暗を分けた「最後の1枠」の理由
21世紀枠で出場を決めた桐蔭(和歌山)。21世紀枠3枠目の選考では歴史がポイントの一つになった 【写真は共同】
今回も、1枠の北海道、2枠の東海と北信越を除き、各地区のラスト1枠の選考は激戦になった。選考委員会の議論と、終了後に行われた記者会見から最後の1枠を決めた要素を探る。
投の2枚看板を持つ八戸学院光星に吉報
1年生左腕が二松学舎大付高の決め手
「迫力ある攻撃が魅力の東海大甲府高と二松学舎大付高の総合力で意見が分かれた」(磯部史雄・地区別小委員長)と説明があり、二松学舎大付高の左腕・大江竜聖(1年)の落ちついたマウンドさばきや、東京大会で6試合を完投した安定感が最終的に評価された。
兵庫勢0も「やむを得ない」
最終的に近江高が選出される過程で杉中豊・地区別小委員長は、エース小川良憲(2年)が見せた1回戦(PL学園高戦)でのピッチングを高く評価したことを強調。時系列で桐蔭高(和歌山)の21世紀枠選出が先にあったことに対する地域性を含めた影響に関してはきっぱりと否定した。さらに甲子園球場のある兵庫県からの選出が0になることに対してよりも、あくまで実力本位で選考した旨を話した。これに関して、全体の選考委員長でもある奥島孝康・日本高校野球連盟会長は、「(兵庫勢が)今回選出されない苦情が出てくるのはあり得るが、やむを得ないと思います」と記者会見での質問に答えた。
山陰地区の地域性が決め手に
山下智茂・地区別小委員長は、中国大会で優勝した宇部鴻城高(山口)に0−1で惜敗した試合内容と、山陰地区がなかなか中国大会を勝ち上がれていない点で、地域性をポイントの一つとして挙げた。
会見では四国大会で当時の監督が不祥事を起こした今治西高(愛媛)についても質問が飛び、大会事務局の大坪康巳・毎日新聞大阪本社スポーツ事業部長は「これまでは(選考規約として)明文化されていなかったが、1月15日の運営委員会で指導者の不祥事があった場合でも、原則としてチームの出場は差し支えない。ただし、社会的に大きな不祥事の場合は別途、運営委員会で協議すると明記した」と説明した。
大敗もエースの投球内容を評価
片岡成夫・地区別小委員長は、「九産大九州が先行して、(エースの岩田将貴は)2回まで4三振を奪った。エラーが重なって3回に逆転されたが、点数ほどの差はなかった。トーナメントの怖さ」と回答。岩田の投球内容に魅力を感じた部分も選考のポイントにあったようだ。
21世紀枠は今年も難しい選考に
- 前へ
- 1
- 次へ
1/1ページ