錦織、うまくかみ合えば全豪Vも 杉山愛コラム「愛’s EYE」

WOWOW

男子は伊藤、添田にも期待

杉山さんも「うまくかみ合えば、全米に続く決勝進出、そして優勝の可能性も十分ある」と錦織に期待 【Getty Images】

 全豪オープンは1月19日に開幕します。恒例になった「見どころ」、今回は日本選手編です。

 錦織圭(日清食品)選手は、もちろん2015年も期待大ですね。去年の全豪、特にラファエル・ナダル(スペイン)との戦い(6(3)−7(7)、5−7、6(3)−7(7))で見せたテニスはセンセーショナルでした。今まで見たことのない新しいテニスで、「ワオ!」という感じで本当に驚かされました。あの一戦が一つのきっかけとなって、彼の今のテニスが確立されたのです。

 ただ、マイケル・チャンコーチいわく、「まだまだ無駄なところもある。もっと効率よく攻撃できる」と。錦織選手自身、「まだまだ強くなれる」と言っているのは頼もしいですね。去年はナダルと3セット、本当に惜しい試合で敗れました。サーフェスも彼に合っていると思いますし、うまくかみ合えば、全米に続く決勝進出、そして優勝の可能性も十分あると感じます。

2014年の楽天ジャパンオープンではワウリンカ(スイス)を破った伊藤 【写真:アフロスポーツ】

 そのほかに男子は伊藤竜馬(北日本物産)選手と添田豪(GODAI)選手が本戦ダイレクトで出場します。躍進中の日本男子でも特に実力のある3人で、私としては、この3人はいつもグランドスラム本戦にいて当然のメンバーだと思っています。
 伊藤選手は外国選手にもパワーで押されないし、実際、14年は楽天オープンでスタン・ワウリンカ(スイス)選手を破っています。トップの選手が相手でも十分やれるというのを日本のファンに見せてくれたので、今度はより大きな舞台で、それを見せてほしいと思います。

 添田選手は、年齢を重ねるごとに彼のテニスの魅力が深まっていると感じます。コートで派手に自分を表現するタイプではありませんが、テニスもアグレッシブになっているし、楽しみです。添田選手の場合、グランドスラムの舞台では気持ちの部分が大切になってくると思います。

奈良、クルム伊達の健闘も

ランキング上位をキープしている奈良に杉山さんも注目 【写真:USA TODAY Sports/アフロ】

 奈良くるみ(安藤証券)選手は、昨年は1年間頑張り通してランキング上位をキープしました。一昨年の全米オープンで大躍進、それを自分の実力にしたことを証明する1年になったと思います。今は43位ですから、15年はまずトップ30、そしてトップ20を目指すことになると思います。体格には恵まれていませんが、それを克服できるようなトレーニングやプレースタイルを考えながら、新しいものを常に取り入れようとしているのが奈良選手。この全豪でも新しい奈良選手を見られるのが楽しみです。

「この舞台にいるだけでも素晴らしい」とクルム伊達公子を称賛 【写真:ロイター/アフロ】

 クルム伊達公子(エステティックTBC)選手も本戦ダイレクトでの出場です。いつも思うことですが、あの年齢(44歳)でこの舞台にいるだけでも素晴らしいことです。しかも、まだまだできるという感覚を持って、そこに立っている、その飽くなき追求が素晴らしいと思います。
 去年も調子がよくなったと思ったらケガで落ちてきたり、かなりのフラストレーションだと思うのですが、それも消化して一歩ずつ進んでいる、さすが超ベテランだと思います。全豪でもやってくれるはずです。

■バックナンバーはWOWOW TENNIS ONLINE
(wowow.co.jp/tennis)「愛's EYE」へ!
http://www.wowow.co.jp/sports/tennis/column/
  • 前へ
  • 1
  • 次へ

1/1ページ

著者プロフィール

新着記事

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント