最新科学で細マッチョに<前編> 上達のコツ直伝!シリーズ 第12回

ACS編集部

POINT(2)しっかりと食べる

【(c) Athlete Career Support】

キーワードは“食事誘導性体熱産生”
「食べる」ことでエネルギーが使われていることを知っていますか?
 食事の後に安静にしていても、食物の消化、栄養などの分解・吸収のため、代謝量が増加することを食事誘導性体熱産生(DIT)と言います。個人差はありますが、1日の代謝の6〜7割が基礎代謝、2〜3割が運動による代謝、1割がDITによる代謝なのです。

 ですから、逆に言うと食べないことで太る可能性もあるということになります。消化吸収による代謝のためには、胃が動く食べ物がオススメです(※お腹を壊した時に食べるものは胃をあまり使わないものが多いです)。

POINT(3)筋力向上と筋サイズ、基礎代謝は必ずしも比例関係ではない

【(c) Athlete Career Support】

キーワードは“活動筋線維”
筋力をあげればあげるほど、見た目の筋肉もつき基礎代謝もあがると考えていませんか?
 筋力は図のようにトレーニングよって一度あがり、その後はなだらかになっていくのに対して、筋のサイズ(断面積)は遅れて太くなっていきます。ですから、筋力がアップしないからといってトレーニングを続けていると、筋肉が急に太くなり筋肉隆々な体になります。

 ここで大事になってくるのがエネルギー活動時に使われる“活動筋線維”との関係です。より効率的に細マッチョを目指してトレーニングするには、活動筋線維が多く、筋のサイズが太くなりすぎない、図の点線の位置あたりを意識してトレーニングしてみましょう。活動筋線維が多く代謝がよくなり、筋線維が太くなりすぎず、細マッチョに近づけられます。

 今回ご紹介したポイントは、最新科学といっても難しいことではなく「なるほど!」「へぇ〜」と感じることばかりだと思います。日々のトレーニングの内容、時間、考え方などを少し変えるだけで、理想の体型に近づけるのでオススメです。

 早速今から最新科学で細マッチョを目指しましょう! 次回の後編は、細マッチョになるための最新科学で行う筋力トレーニングをお届けします。

櫻井智野風プロフィール

神奈川県生まれ。1991年、横浜国立大学大学院教育学研究科保健体育学専攻修了。92年より東京都立大学理学部体育学教室助手、2006年より東京農業大学生物産業学部健康科学研究室准教授を経て、14年4月より桐蔭横浜大学スポーツ健康政策学部スポーツテクノロジー学科教授となる。『乳酸をどう活かすか』(杏林出版)、『ランニングのかがく』(秀和システム)など著書多数。日本陸上競技連盟普及育成部委員。日本陸上競技学会理事。日本トレーニング科学会理事等。

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著者プロフィール

元十種競技選手の奥山剛史が代表を務める、株式会社アスリート・キャリア・サポート。「スポーツはみんなを元気にする。」をコンセプトに、人とスポーツとの関わりをデザインし、躍動感あふれる社会をつくるためにさまざまなアイディアでスポーツを楽しみ愛する人を応援していきます

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