アギーレ「汚点はまったくない」=八百長疑惑について潔白を主張

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八百長疑惑で告発されてから初めて、アギーレ監督が公の場で語った 【スポーツナビ】

 サッカー日本代表のハビエル・アギーレ監督が27日、都内JFAハウスにて自身の八百長疑惑に関する会見を行った。アギーレ監督は、八百長疑惑でスペイン検察当局から告発されており、15日に告発されてから公の場で語るのは今回が初めてのこと。

 会見を開いた意図についてアギーレ監督は、「私のことをよく知っているスペインやメキシコ、あるいは米国の方々にはこういった質問はされていない。ただ日本では私のことはあまり知られていないということで、このような会見を設けて質問を受けることになった」と説明。疑惑については「39年間プロサッカーに関わっているが、その間に汚点はまったくない」と、潔白を主張した。

 今後の活動についても、「代表監督の仕事に影響することはまったくない」と話しており、来年1月のアジアカップ制覇に向けて「100パーセント努力する」と意欲を見せた。

 問題となっているのは、2011年5月21日に行われたリーガエスパニョーラ最終節レバンテ対サラゴサの一戦で、この試合に2−1で勝利したサラゴサが1部残留を決めた。アギーレ監督は当時サラゴサの監督を務めていた。

スペインサッカーを信じている

登壇者:
ハビエル・アギーレ(日本代表監督)

 本日まで皆さんの前で発言することがなかったのは、正式なものが何もなかったからだ。そしてこのたび、訴状が提出されたので、私の意見を述べたい。私の弁護士から聞いたところによると、私はスペインの国内リーグや欧州リーグなどで450試合を指揮してきたが、そのうちの1試合が調査されているということだった。そして調査されている試合に関わった36人の選手、プラス5人、そして法人としてのサラゴサが調査されるのが1月になるということだ。そこで41人の個人が証言に立つことになる。それが終わったところで、裁判官が裁判を始めるかどうか判断する。本格的な調査は1月に入ってからになるが、それがどれくらいの期間になるのか、そして調査が終わったところで裁判に発展するのかどうかも分からない。

 私はスペインサッカーの正直さとクリーンさを信じている。12年間、スペインリーグで指揮を執っていたが、(その間に)プロフェッショナリズムに反するものを私は認識していない。試合に勝つための方法は、努力だ。私は誰にもプレゼントをされていないし、それを望んでもいない。だから私はスペイン当局に協力するし、この経緯を最後まで見守りたいと思う。私へのサポートを表明してくれた選手、スタッフ、(協会)幹部、友人や家族に感謝したい。そしてサポーターの方々には「どうか落ち着いてください」と申し上げたい。サポーターの応援が、アジアカップ連覇には必要となるからだ。そして私は、日本が再びアジアカップを制覇するために、引き続き準備していくだけだと思っている。

 本日の質疑応答で答えられない質問もあると思う。それはスペインの弁護士から、裁判官の前でのみ話すべきこととアドバイスされているからだ。

監督の仕事に影響することはまったくない

――「何もプレゼントされていないし望んでいない」と言ったが、スペインの報道によると口座にボーナスのような形でお金が振り込まれていて、それが引き出されて相手チームに渡ったとされている。ご自身で口座を確認したのか?

 こちらについては裁判官、あるいは司法当局に答えたい。私が発言すれば、それはメディアにも載るので、それをお待ちいただきたい。

――日本代表はクリーンであると信じていいのか?

 もちろんだ。私は39年間プロサッカーに関わっている。メキシコ、米国、スペイン、そして日本で仕事をしているが、その間に汚点はまったくない。それは信じてほしい。

――予審の開始が1月になるということだが、アジアカップ期間中に受理されて調査が開始された場合はどうするのか?

 弁護士によれば「仕事に影響しないところで呼んでもらえる」と聞いている。アジアカップに優勝するためのこと以外に1分も時間を割こうとは思わない。本日の会見を終えてからも、アジアカップのために100パーセント努力する。

――アジアカップ以降、捜査に協力する場合、代表の活動に影響するのではないか? 29日から合宿が始まるが、選手への影響についてどう考えるか?

 選手には、まったく同じことを伝える。私は落ち着いているし、長いキャリアの中でスペインサッカーはクリーンであることを確信している。そして私はサッカーの監督なので、現場で仕事をすることに集中したい。私が今、発言していることの裏付けを取るために、皆さんには私の39年間(のキャリア)を調査してもらいたい。われわれが今後、証言しなければならない状況になるかもしれないが、あらゆる形で証言できる。だから代表監督の仕事に影響することはまったくない。100パーセント保障する。

――ワールドカップ(W杯)ロシア大会まで指揮を執れるという確信はあるのか?

 もちろんだ。この問題によって、私が指揮を執ることに影響があったり、睡眠時間が削られたりすることはない。私自身、1カ月か1カ月半くらい前に、メディアを通じてこの件を知った。そして繰り返しになるが39年間、毎週末、1000試合以上戦い続けた。そういう事実があるので、私は落ち着いている。こういった状況は私自身にとっても初めてだが、問題となった試合に関わったことで、こういう事態になった。それに関する質問はあらゆるところで答えていこうと思っているが、日本代表に集中したい。私が持っている力を日本代表のために注入して、アジアカップ、そしてW杯予選を戦っていきたい。仕事にも、選手にも、サポーターの方々にも、協会にも、私は満足していて、非常に良い環境で仕事をさせてもらっている。私の持っている力、エネルギーのすべてを、日本代表に注入したいと思っている。

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