アギーレ「汚点はまったくない」=八百長疑惑について潔白を主張

スポーツナビ

私が辞任したことは一度もない

会見中、アギーレ監督は何度も「私は落ち着いている」と繰り返した 【スポーツナビ】

――これまでの質疑では自身の潔白を主張しているが、捜査の結果と主張どおりにならなかった場合、身を引く可能性は想定しているか?

 想定の話は答えられない。39年間、私が辞任したことは一度もない。だから私は落ち着いている。

――ご自身の人権は守られないといけないが、この時点ですでに代表チームの活動に支障をきたしていたり、良くない影響が出ていると感じているか?

 それはないと感じている。キャリアで考えると1000試合を戦っているし、その中で、私が悪いことをしたと考える要素がない。

――告発が15日だった。その間、国内にいたと思うがどう過ごしていたのか。29日から始まる合宿だが、大仁(邦彌)会長が選手に説明することについて何か要望はあるか?

 15日から今日までについて。まず協会の弁護士、そしてスペインの弁護士と話をした。その結果、落ち着いていいということを言われた。私自身も落ち着いていたし、自分のキャリアを鑑みてもまったく問題がないと思っている。(その後は)試合の映像を見たり、アジアカップに向けた準備をしている。それから会長、メディアの方々や選手と話す権利があるので、それを実行するのは良いことだと思う。これから調査が始まる段階だが、その結果、裁判が始まるかどうかは分からない。その間、私は努力するだけだ。

他の試合と同じように勝ちにいった

――スペインの検察庁から直接入手した告発状によると、アギーレ監督の口座に8万5000ユーロ(約1200万円)が2度に渡って振り込まれたとある。これは事実としてあったのか? あったとすれば、そのお金はどこへ流れたのか?

 申し訳ない。弁護士のアドバイスにより、答えることはできない。詳細については司法当局に再度確認している。ただ、司法当局に同じ質問をされたとしても、私は落ち着いて回答することができる。私は自分のことが良く分かっているので、自分をまったく疑うことがない。その日、どんなことが起こったのかは私の中ではっきりしている。

――現在、JFAが後任をリストアップしていることについてはどう思うのか?

 それに関しては初耳だ。答えることはできない。私は私でアジアカップに向けて準備していくだけだ。

――なぜこの問題が監督自身に降りかかったと思うか?

 私が指揮を執った450試合の中の1試合がこの試合だったからだ。時間の経過とともにすべてがはっきりして、落ち着いて仕事ができる状態になると思う。私自身も皆さんと同じようにこの状況を驚いている。

――450試合の中の1試合がクローズアップされているわけだが、どんな試合だったのか覚えていることを教えてほしい。

 どの試合とも変わらず、同じように勝ちにいった試合だ。勝つための準備を行い、勝つための交代を行った。非常に密度の高い試合で、相手GKが素晴らしいセーブを見せた。こちらの得点もGKが止めることのできない素晴らしい2得点だった。その後、1点押し込まれ、試合終盤まで危ない状況だった。昨日のことのように覚えている。両チームとも勝つために戦い、サラゴサのサポーターも1万2000人が駆けつけた。非常に良い雰囲気のある試合だった。苦しんだが、最後は勝利をつかむことができた。私が就任してからは長い道のりだったが、最下位のチームを率いて、最後に残留を決めたのだ。

――監督は潔白を主張しているが裁判のこともあり根拠を言えない状況だ。この状況が続いた場合、自分なりに潔白を証明する努力をするのか? 協会とアジアカップ以降の話をしているのか?

 私の努力、力、エネルギーはすべてアジアカップに注入する。サッカー以外のところでは1分も無駄にしたくない。アジアカップが終了すれば、そこからの目標があるのでそこに向かって行きたい。私はメキシコ、スペイン、米国のクラブ、代表で契約の途中で辞めることはなかった。私はプロで契約を守る。今まで関わってきた選手、スタッフ、クラブ幹部などに問い合わせてもらえばいい。唯一の真実は日々の努力であるということが分かると思う。それが試合に勝つ唯一の秘訣(ひけつ)だ。

時間が経過するのを待つのみ

――お金が振り込まれたことは知っていたが使っていない、知っていたが会長に返した、振り込まれたことは知らない、どれなのか?

 何度も言うがそれに関しては司法当局に答える。もちろん3カ月前から私のことを知ったので繰り返し質問しているのだと思うが、30年間私のことを知っていればこういう質問はしないと思う。

――監督は事実無根と言っているが、日本では大騒動になっている。この状況についてはどう考えているのか? 逆に名誉毀損(きそん)で訴えることも考えているのか?

 まだ3シーズン前のとある試合が調査されているという、調査の段階だ。その試合に関わっていた36人の選手と監督であった私と4人のクラブ関係者だ。相手チームの監督はそのとき出場停止だったので呼ばれていない。私のことをよく知っているスペインやメキシコ、あるいは米国の方々にはこういった質問はされていない。ただ日本では私のことはあまり知られていないということで、このような会見を設けて質問を受けることになった。私自身は落ち着いている。あとは時間の経過とともに状況を見守っていきたいと思う。私はあの試合に関わっていたので、証言するときには私の視点からどういったことが起こったのかを説明するだけだ。その説明をすることによって、日本代表の仕事に影響はありません。あとは時間が経過するのを待つのみだ。

――実際に潔白かどうかは別として、これだけの騒動になっており、日本代表のサポーターやスポンサーに対して申し訳ないという気持ちはあるのか?

 これが大騒動だとは思っていない。スペインでもメキシコでも米国でもスキャンダルになっていないのに、日本ではこのようなスキャンダルになっているということだ。私にとってはとてもクリアなことなのだ。3シーズン前のとある1試合が調査されていて、その試合に関わっていた人々が呼ばれて証言するというだけだ。時を待てば事実がすべて明るみに出てくると思うのでそれをお待ちいただきたい。あまり慌てて今それを憶測で話してしまうのは良くない。スポンサーの方々、選手、サポーターの方々には全員一丸となってアジアカップを戦いましょうと言いたい。それ以外のところは結果を待つしかない。

――事実が明らかになるまでかなりの時間を要するが、それまで謹慎という形で身を引く考えはあるのか?

 選手たちは試合を戦い続ける。該当する試合に関わった選手たちは今でもゲームに出ているし、このような質問に責められていません。毎週末、通常通りに戦っているし、サラゴサの幹部も今まで通り幹部の仕事を続けている。試合のレフェリーも今でも笛を吹いている。なぜ彼らと同じように私も仕事を続けることができないのだ。有罪を証明されるまでは何人たりとも無罪だと思うので、それまで仕事をする権利はあると思う。推定無罪というのは法によって定められおり、有罪が証明されるまでは無罪なのだ。この試合に出場していた選手でチャンピオンズリーグを戦っている選手もいるし、それでいいと思う。家で引きこもっている必要はない。私もそのようなことは一切していないので、仕事を続けたいと思う。

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