野球の素晴らしさを知る上地雄輔 映画『バンクーバーの朝日』を語る

岡大

【(c)2014「バンクーバーの朝日」製作委員会】

戦前のカナダに実在した日本人野球チーム

『バンクーバーの朝日』でトム三宅役を熱演した上地 【スポーツナビDo】

『舟を編む』で映画賞を総なめにした石井裕也監督の最新作は、1900年代初頭にカナダに実在した日本人の野球チーム“バンクーバー朝日”を描いた映画。カナダの日本人街で育った若者たちが、体の大きな白人チームにバントや盗塁といった戦術で立ち向かい、日本人の移民たちを勇気づけていく……。

 チームの中心人物を演じているのは、妻夫木聡、亀梨和也、勝地涼、池松壮亮、そして上地雄輔。トム三宅役を熱演した上地に話を聞いた。

日本を背負う気持ち<野球を愛する気持ち

「日本人の強さを感じました。定められたルールの中で、白人たちに立ち向かう術(すべ)を見いだして、チームとして勝つ。“当たってもいいから塁に出ろ”とか、チームとして勝つ、国として勝つという意識は外国にはないんじゃないかなと思いました。生きる強さをすごく感じましたね」

『バンクーバーの朝日』より 【(c)2014「バンクーバーの朝日」製作委員会】

 上地自身、学生時代は野球で活躍していた。高校で松坂大輔とチームメートだったことは有名だろう。小中学校時代には、日本代表チームに選抜され、世界大会にも出場している。

「外国のチームは大ざっぱですよね、プレーも作戦も。今は違うかもしれないけど、当時はそう思いました。(対戦相手としては)朝日軍みたいなコツコツやってくるチームの方が断然やりにくいです。パワーがすべてじゃない。ベースボールと野球の違いはそこだと思います。

 僕はまだ子供だったから日本代表ということはあまり意識していませんでしたけど、朝日の選手たちも、日本人のためにという意識で野球を始めたわけじゃないと思うんですよ。根っこはやっぱり野球が好きだということだと思って演じました。子供のような気持ちで野球を愛していないと、妻が止めるのも聞かずに仕事を放り出して野球に行ったりしないと思います(笑)」

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著者プロフィール

1974年生まれ。エディター&ライター。男性誌『メンズクラブ』編集部、映画雑誌『プレミア日本版』編集部を経てフリーランスに。映画パンフレット、映画誌、カルチャー誌、ファッション誌などで編集・取材・執筆を行っている。幼少期に映画にハマって以来、心は常に文科系映画オタクだが、それに似つかわしくないほど体は体育会系で、高校時代には陸上短距離で県大会2位になったこともある(その時の1位はインターハイでも優勝)

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