野球の素晴らしさを知る上地雄輔 映画『バンクーバーの朝日』を語る

岡大

野球の楽しさ、素晴らしさ

もう十数年ほとんど野球はやっていないという上地だが、「仕事で野球ができて本当にうれしい」と語った 【スポーツナビDo】

「仕事で野球ができて本当にうれしいです。お金までもらえるんですから」と笑う上地。多忙なため、もう十数年ほとんど野球はやっていないそうだが、それでも野球を愛する心は持ち続けている。

「野球は何が起こるか分からないところが面白い。ずっと打ち続けたら1億点だって取れるから(笑)。それと、チーム戦なんだけど、守備の時に打球が飛んできたら全員がその人を見るし、攻撃では順番に打席が回るし、一人一人が主役になれる瞬間があるのも野球ならではだと思います。あと、失敗してもかまわない。3割打ったらすごいと言われるということは、10回やって7回失敗しているということですからね。そんなスポーツは他にないと思います」
 野球は観戦するのも楽しいが、実際にやるのも楽しい、と上地は熱く語る。野球上級者の上地に“やる”楽しみを教えてもらおう。

「今回の映画をやっていて思ったんですけど、野球をやっていると、ものすごく仲間と仲良くなれるんですよ。キャッチボールするだけで打ち解けた気持ちになる。キャッチボールって、こっちがいいところに投げないと、受けた人が次の動作に入りづらくなるから、変なボールが返ってきちゃうんですよ。どうやったら相手が取りやすいか、投げやすいか、自然に考える共同作業なんです。人との付き合い方に通じるんじゃないですかね。野球を楽しむには、まずキャッチボールだと思いますね」

上地雄輔

1979年4月18日生まれ、神奈川県出身。99年俳優デビュー。その後、数多くのTVドラマ、映画、バラエティ番組などに出演。またアーティスト名“遊助”として歌手としても精力的に活動している。俳優としてはNHK大河ドラマ『天地人』(09)に出演、映画『漫才ギャング』(11)では第35回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。

バンクーバーの朝日

【(c)2014「バンクーバーの朝日」製作委員会】

 戦前、カナダに渡った日本人移民たちは差別や貧困に苦しんでいた。そんな中、日本人街で生まれ育った若者たちによる野球チーム“バンクーバー朝日”が結成される。最初はパワーに勝る白人チームに歯が立たなかったが、戦術と機動力を駆使した“スモールベースボール”で快進撃を始め……。上地雄輔は、日本人街の豆腐屋で働くキャッチャーのトム三宅を演じている。12月20日(土)、全国ロードショー。
作品写真:(c)2014「バンクーバーの朝日」製作委員会

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著者プロフィール

1974年生まれ。エディター&ライター。男性誌『メンズクラブ』編集部、映画雑誌『プレミア日本版』編集部を経てフリーランスに。映画パンフレット、映画誌、カルチャー誌、ファッション誌などで編集・取材・執筆を行っている。幼少期に映画にハマって以来、心は常に文科系映画オタクだが、それに似つかわしくないほど体は体育会系で、高校時代には陸上短距離で県大会2位になったこともある(その時の1位はインターハイでも優勝)

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