“ボンバーレフト”三浦が進化示したKO=再戦となる内山との統一戦へ「自信ある」

船橋真二郎

“日本人キラー”に格の差見せたロマゴン

“日本人キラー”と言われるフエンテスに格の差を見せて、6回TKO勝利を挙げた“怪物”ゴンサレス 【中原義史】

 同じリングでは9月に八重樫東(大橋)からWBC世界フライ級王座を奪い、3階級制覇を果たしたローマン・ゴンサレスが同王座の初防衛戦に臨み、同級8位のロッキー・フエンテス(フィリピン)を6ラウンド2分11秒TKOで退けた。元東洋太平洋フライ級王者で、対日本人6戦全勝のフエンテスもゴンサレスが様子見の1ラウンドに右オーバーハンドを何度か当て、3ラウンドにも同じパンチを決めて「テンプルに入ったパンチは効いた」と言わしめたが、格の差はいかんともしがたかった。

 次第にゴンサレスの波状攻撃にのみ込まれ、6ラウンド、コーナーに詰まり、左フックからの打ち下ろしの右ストレートで崩れていくところに右アッパーをフォローされ、力なくダウン。それでも立ち上がり、最後まで食い下がったが、すぐさま連打にさられ、レフェリーが試合を止めた。

来年後半に井上尚弥戦があるか!?

41戦負けなしの怪物は、来年の標的に、9月に激闘を繰り広げた八重樫の後輩である井上尚弥を挙げた 【中原義史】

 デビュー以来のパーフェクトレコードを41戦全勝35KOに伸ばしたゴンサレスは、来日以来、井上尚弥(大橋)との対戦を熱望。公開練習の際には、12月30日にオマール・ナルバエス(アルゼンチン)のWBO世界スーパーフライ級王座に挑む若き日本のタレントに対し、「若いし、パワーもあり、コンビネーションブローもいい。いいボクサーになると思うので、ぜひ来年試合をしたい」と評価する一方で、「アキラよりイノウエのほうが弱いと思う。ボディが弱そうだし、私のプレッシャーに耐えうる選手ではない。何より経験が不足している。彼を倒し、4階級制覇をしたい」と八重樫との比較で井上の印象を語った。

 これだけ具体的に話すのも、存在を認めていることの裏返しと言えるのかもしれない。プロモートする本田会長は、ゴンサレスが来年もまた日本のリングに上がる可能性は高いと話し、「他の日本人がやってくれるなら、それはそれでいいし、盛り上げて、盛り上げて、最終的には来年の後半に」と井上との対戦について示唆。最後に「ロマゴンだって、井上にはそうは簡単にはいかないよ」と付け加えた。

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著者プロフィール

1973年生まれ。東京都出身。『ボクシング・ビート』(フィットネススポーツ)、『ボクシング・マガジン』(ベースボールマガジン社=2022年7月休刊)など、ボクシングを取材し、執筆。文藝春秋Number第13回スポーツノンフィクション新人賞最終候補(2005年)。東日本ボクシング協会が選出する月間賞の選考委員も務める。

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