負けられない決戦へ、冷静に臨むG大阪 リベンジではなくタイトルへ近づくために
遠藤にとっては忘れるくらい過去のこと
8年前の決戦を忘れていたという遠藤。週末の決戦が楽しみだという 【写真:アフロスポーツ】
遠藤の言う“週末”とは、今季のJ1では最大の注目カードとされる22日の第32節浦和vs.G大阪戦だ。何の因果か、この一戦は06年と同様に、埼スタで行われ、『優勝』が懸かる大一番に。しかも、第31節までを終了時点で首位の浦和と2位・G大阪の勝ち点差は5の開きがあることから、浦和は勝てば、その時点で優勝を決められることになる。06年にG大阪の目の前で優勝を決めたように、だ。
丹羽「同じ結果にするつもりはさらさらない」
06年の戦いを知る丹羽は、「同じ結果にするつもりはない」と決意を語った 【写真:アフロスポーツ】
「僕は、当時、プロ3年目でスタンドから試合を見ていました。心のどこかで試合に出られない悔しさはあったとはいえ、試合が始まれば純粋にチームの勝利を応援していたので、試合が終わった瞬間は何とも言えない気持ちでしたね。ただ、変な言い方ですけど、あの雰囲気を感じられたのは良かったと思っています。大一番で、自分たちが点を取ればどうなるのか、相手が取ればどうなるのか、すべてイメージできますからね。それに、今のガンバもそうですが、優勝争いをしている時の、勝っても負けても一喜一憂しないチームの落ち着きとかそれをけん引するベテラン選手たちの雰囲気みたいなものは、当時からありましたから。あの試合では3点差以上の勝利を求められていたこともあり、前がかりになった部分はあったけど、最後まで経験のある選手たちを中心に、淡々と落ち着いて試合を進めていた。それは今回の試合でも求められること。これまでの試合もそうであったように、自分たちのサッカーを落ち着いてやれれば結果は出せるという自信もある。あれから8年経って、僕自身もいろんな経験を積んできた中で、そんな風に試合を進めることの必要性も、強みも肌で感じているからこそ、当日のピッチではヤットさん(遠藤)や今ちゃん(今野泰幸)、ミョウさん(明神)ら、経験ある選手とともに、僕もしっかりと試合を落ち着けたい。その上で満員の埼玉スタジアムを、シーンと静まり返らせたいと思っています。8年前と同じ結果にするつもりはさらさらないですよ」
06年シーズンにG大阪に在籍していた選手は、前出の明神、遠藤、丹羽以外に、MF二川孝広、GK木村敦志の5人になった。それもあって、こちらが質問しなければ、今のG大阪に06年の大一番を振り返る選手はいない。遠藤のように「忘れていた」のが本音だろう。だからこそ、06年と似たシチュエーションで迎える週末の決戦を前にしても「あの時のリベンジを」とは誰一人として考えていないはずだ。それよりも、目の前の試合を勝ち取ることだけに気持ちをそろえて、今季2つ目の“タイトル”に近づくために、G大阪は決戦の舞台に乗り込む。
映像提供:J. LEAGUE Media Promotion,Inc