オランダ代表はまだ生きている ラトビアに大勝、求められる若手の成長

中田徹

ヒディンクのクビはつながったが……

ロッベンは、チームに25歳から30歳の選手が少ないという問題に対して、熱弁を振るった 【写真:ロイター/アフロ】

 試合後、テレビ局『NOS』のインタビューに対し、ロッベンは熱弁を振るった。

「このチームにはたくさんのタレントがいる。しかし、25歳から30歳の年代が欠けている。彼らはお互いに支え合い、助け合って、成長しないといけない。(弱点やうまくいかないところは)ハッキリさせ、批判的でないといけない。それと同時にポジティブでないといけない。たどり着き得る最高の場所を頭の中に描いて、そこへ進もうとしないといけない」

 この日、出場した若手選手のうち、CBを務めたデ・フライはセリエAの舞台で真のCBに育たないといけないし、ブルマはピッチの上で滑る癖を解消しないといけない。左SBのウィレムスは攻撃が武器だが、その他の能力に欠けている。今、売り出し中のデパイは、PSVでは絶対的な存在になったが、オランダ代表ではまだまだ力を出し切れていない。その他、オランダには発展途上の若手がたくさんいる。それが良い方に転べば良いが、今のオランダは悪い方に転び、同じようなミスを繰り返し、負け続けていたのである。そのため、ラトビア戦で若いCBコンビがクリーンシートに貢献し、さらにブルマがチームの4点目を決めたことはそれなりに意義があることなのだ。
  
 この日、チェコがアイスランドとの首位攻防戦を制したことによって、3位オランダとチェコの差は勝ち点6のままだが、2位アイスランドとの差は勝ち点3とグッと縮まった。まだ、オランダは生きている。ヒディンクのクビもつながったかに見える。しかし、実は「ヒディンクは辞めるのではないか」という憶測がオランダでは流れている。ヒディンクとKNVB(オランダサッカー協会)の契約は4年。ユーロ2016までは自ら指揮官としてチームを率い、W杯予選からアドバイザーになる。そのシナリオが前倒しになる可能性をオランダ人は感じている。

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著者プロフィール

1966年生まれ。転勤族だったため、住む先々の土地でサッカーを楽しむことが基本姿勢。86年ワールドカップ(W杯)メキシコ大会を23試合観戦したことでサッカー観を養い、市井(しせい)の立場から“日常の中のサッカー”を語り続けている。W杯やユーロ(欧州選手権)をはじめオランダリーグ、ベルギーリーグ、ドイツ・ブンデスリーガなどを現地取材、リポートしている

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