パンドラに見るマツクニGI馬の雰囲気=エリザベス女王杯で吹くか“二冠”の風

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師匠の名前に泥を塗るわけにはいかない

師匠・松田国英調教師の名前に泥を塗るわけにはいかない 【netkeiba.com】

 開業4年目、GI初勝利とは思えないほど、落ち着いた言葉が続く。その背景には、高野調教師の人柄と共に、師匠である松田国英厩舎の環境も大きかったのではないだろうか。

「松田国英厩舎に入っていなかったら、今の立場はないと思います。入った時から『お前は調教師を目指さないとダメだ』とずっと言ってくれて、押し上げてくれました。そのために色んな事を経験させてもらいましたし、GIの場数もかなり踏ませてもらいました。それに、厩舎にはGIを勝って来たスタッフが揃っているんです。だから、GIに向かって行く時の厩舎の雰囲気が、浮ついたところが一つもない。開業初年度からダービーを使わせてもらったんですけど、その時から感じていました。大きなレースに向かうにあたって、普通はソワソワするものですけど、厩舎全体がどっしりしているんです。スタッフの存在も大きいですし、とても感謝しています」

 松田国英厩舎出身の調教師は、角居勝彦調教師、友道康夫調教師、村山明調教師と、GI勝利調教師がズラリ。その先輩たちと同じく、GI勝利を果たした意味は大きいのではないだろうか。

「実績がすご過ぎて、とてもじゃないですけど比較の対象にならないです。ただ、師匠のところから出た調教師たちがすごい成績なので、師匠の名前に泥を塗るわけにはいかないな、という気持ちはありますね」

強くなる馬とは、こういう馬なんだと思います

 秋華賞というタイトルを手にして、ショウナンパンドラも高野調教師自身も、これまでよりも注目される存在になった。次なる目標、エリザベス女王杯でも、人気の一角を担うことになるだろう。

「秋華賞の後は、これまでのレースよりは走って来たなという感じはありました。じっくりと体調を見極めながら調教して来ましたが、いい状態で来てますよ。1週前にしっかりと負荷を掛けたかったんですけど、予定通り併せ馬できっちりやれました。ここまで考えて来た通りに進められています」

 今回の舞台は京都2200m。ショウナンパンドラにとっては初めての距離となる。その辺りを不安視してはいないのだろうか。

「距離は大丈夫だと思いますよ。天下の種馬ですし、母系も距離は持つ血統ですから。脚質的にも問題ないですし、スタミナは持っています。あとは、古馬との比較ですよね。古馬は経験豊富だし、修羅場を潜って来ての今があるわけですから、先輩方にぶつかっていくという構図ですね。秋華賞の時と比較して、状態は劇的に上がってるわけじゃないですけど、現状維持より上向いています。この馬は、春から常に上り調子で来ているんですよ。強くなる馬って言うのはこういう馬なんだと思います。前の厩舎でたくさん見せてもらいましたから」

 3歳のショウナンパンドラと、開業4年目の高野友和厩舎が挑むエリザベス女王杯。競馬界の新しい風は、どんな形で吹くのだろうか。(了)

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