「競馬」に加われなかった日本勢=奥野庸介の凱旋門賞回顧
トレヴ連覇、陣営の努力とジャルネの好騎乗
トレヴが凱旋門賞を連覇、牝馬では77年ぶり史上2頭目という大偉業となった 【Photo by Kazuhiro Kuramoto】
昨年の5馬身差圧勝で世界の最高峰に登ったトレヴだったが、今年は結果を出せずに3連敗。春に背中を痛めて夏場を全休し、前哨戦のヴェルメイユ賞でも最後の伸びを欠いて4着に敗退と春先の前売り1番人気馬は徐々に後退、レース当日は単勝15.4倍の7番人気にまで評価を下げていた。勝因は短い期間で能力を発揮できる状態にまで戻した陣営の努力と、この馬が持つポテンシャルにあろうが、コースを熟知し、手の合うジャルネ騎手の好騎乗も優勝を引き寄せる原動力となった。
前半タイトな流れ、これが勝負の明暗
ハープスターは猛然と追い上げたものの末脚届かず6着 【Photo by Kazuhiro Kuramoto】
ディープインパクトでさえ、押し出されて先行したように、欧州競馬は途中まではスローで、各馬は前に壁を置きながら勝負どころで一斉にペースを上げる。しかし、横一線ムードでチャンスのありそうな馬が多かった今年は前半もタイトに流れ、これが勝負の明暗を分けた。
ジャスタウェイもドバイで世界を震撼させた豪脚を見せることはできなかった 【Photo by Kazuhiro Kuramoto】
2着フリントシャーも内枠と騎手の腕
(文:奥野庸介)
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