仏ジャーナリストの凱旋門賞展望=今こそ日本人騎手を再評価すべき時

JRA-VAN

トレヴの連覇、歴史的に見ても難しい

地元フランス人ジャーナリストが凱旋門賞を展望、日本馬をどう見る? 【Photo by Kazuhiro Kuramoto】

 今年で93回目となる凱旋門賞は、これまでになく予想の難しいレースになりそうだ。優勝候補が今年ほどしばしば変わることはなかった。シーズン始めにはトレヴが筆頭とされていたが、ガネー賞、プリンスオブウェールズS、そして最近のヴェルメイユ賞での敗北は、ブックメーカーだけでなく競馬ファンの見解にも変化をもたらしたのだ。

 唯一、トレヴのトレーナーであるクリケット・ヘッドだけは、2013年の凱旋門賞の優勝馬である彼女が復活するという希望を失ってはいない。しかし、軽い脚部不安があったことに加え、去年に比べて斤量が増える。歴史的に見ても連覇はとても難しい。

ハープスターはもっとも危険な存在

海外勢にとって日本馬3頭で最も危険な存在はハープスターだ 【Photo by Kazuhiro Kuramoto】

 凱旋門賞において斤量は非常に重要な要素で、3歳牝馬は古馬より大きなアドバンテージがある。つまり、日本の3歳牝馬ハープスターは日本から挑む3頭のうち、おそらくはもっとも危険な存在。また、ジャスタウェイもメイダンで行われたドバイデューティフリーで、ヴェルシンゲトリクスに大楽勝したこともあって大きな注目を集めている。ロンシャンで深い印象を残したディープインパクトの娘でもあるハープスターのように2400mを走りきった実績がないものの、実際、須貝尚介に調教されているこの5歳馬は非常に安定しており、すでに海外でのレース経験があることも大きな強味だろう。日本調教馬ではこの2頭への注目度が高い。

 ゴールドシップに関しては、少々世間から忘れられている感がある。前走でハープスターに敗れたうえ、スタートを失敗することもしばしばあり、これは凱旋門賞において許されないミスとなる。

 さらに、ヨーロッパでは日本人騎手たちへの信頼があまりないということを忘れてはならない。確かな根拠があるわけではないが、ひとつの事実だ。しかしながら、ベルギー人の名騎手であるクリストフ・スミヨンでさえオルフェーヴルを勝たせることができていない。今こそ日本人騎手を再評価すべき時なのではないだろうか。

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